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第1部 本

健康&エクササイズ

「健康常識」のニセ科学(左巻健男)

『本当に危ない! 「健康常識」のニセ科学』2024/5/8
左巻健男 (著)


(感想)
「健康になりたい」と思って摂る健康食品・サプリによって、もしかしたら不健康への道を歩んでいる可能性があるかもしれない……ニセ科学に基づく商品・情報が、私たちの暮らしに巧妙に入り込んでいることを分かりやすく明快に教えてくれる本で、主な内容は次の通りです。
第1章 テーブルの上のニセ科学
第2章 「いい水」のニセ科学
第3章 体の中のニセ科学
第4章 民間療法のニセ科学
第5章 がん治療のニセ科学
第6章 アンチエイジングのニセ科学
第7章 脳のニセ科学
   *
 最初の「第1章 テーブルの上のニセ科学」から、意外な事実に驚かされてしまいました。例えば……
「機能性表示食品は
  ×効果抜群
  ○科学的根拠が薄い」
 ……なのだとか! 次のようにも書いてありました。
「(前略)機能性表示食品は、届け出の際、臨床試験や機能性関与部分に関する論文や文献調査、さらに消費者庁の許可も、必要とされていません。(中略)
 機能性表示食品は、法的にはあくまでも食品のなかまであって医薬品ではないので、有効性の科学的な根拠がなくても、販売できます。また医薬品と違い、品質の均一性・再現性・客観性・純度なども保証されていません。」
 ……ええー! 「機能性表示食品」というと、何か良いことが確認されているのかと思っていましたが、そういう雰囲気を醸し出しているだけだったのでしょうか……。
 また次のようなことも……
「無添加食品は
 ×健康によくて安全!
 ○むしろ危ない!」
 ……ええー、それって本当? ここでは次のように書いてありました。
「昔と違って、今私たちが口にしている食品は、低塩分や低糖度のものが多いので、微生物が繁殖しやすいのです。ですから低塩分、低糖度のまま無添加にしてしまうと、雑菌が繁殖して日持ちが悪くなります。
 実は食品の安全でもっとも重視しなくてはならないのは「食中毒を防ぐ」ことです。」
 ……そうだったんだ……。
 この本はこんな感じで、「よく言われていること」にも正しくないものがあることを、○×表記でズバッと教えてくれるので、とても分かりやすかったです。
「第3章 体の中のニセ科学」の
「免疫力を上げれば
 ×病気にならない!
 ○というフレーズには特に注意」
 ……ということは、日頃から自分の免疫力を鍛えたいと思っていた私にとっては、耳が痛いことでした……「免疫系はとても複雑で、免疫は、強すぎず弱すぎないということが重要」だそうです……確かに、そうですね……。
 また「第5章 がん治療のニセ科学」では、がん治療に効果があるという多くのニセ科学の審判のあとに、次のようなコラムもありました(一部を抜粋紹介)。
「科学的根拠にもとづく日本人のためのがん予防法(日本がん研究センターがん予防・検診研究センター)」
1)喫煙:たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける
2)飲酒:飲むなら、節度のある飲酒をする。日本酒なら一合、ビールなら大瓶一本
3)食事:偏らずバランスよくとる
4)身体活動:日常生活を活動的に
5)体形:成人期での体重を適正な範囲に
6)感染:肝炎ウイルス感染検査と適切な措置を
   *
「第6章 アンチエイジングのニセ科学」でも、アンチエイジングのサプリについて……
「(前略)アンチエイジングのための健康食品・サプリや健康法が花盛りですが、今のところアンチエイジングの方法として医学的に効果があるとされているものは、「食べ過ぎないこと」「適度な運動をすること」くらいです。」
 ……と書いてありました。うーん、そうなんですね……。
 そして「おわりに」には、ニセ科学にだまされないための心がけとして……
1)たった一つのもので、あらゆる病気が治ったり、健康になったりすることはない。
2)お金がかかり過ぎるものはおかしい。
3)当たり前の科学の常識に従う――バランスのよい食事を心がけ、常に明るく過ごし、気心の知れた友達を作り、やり甲斐のある仕事をし、ほどよい運動を行う。
 ……という実践的なアドバイスがありました。
『本当に危ない! 「健康常識」のニセ科学』……「グルコサミンは、食べても膝には届きません!」とか、「プラセンタで、健康障害を引き起こすかも」とか、「セルライトは、ただの脂肪のかたまり」とか、意外な事実をたくさん学ぶことが出来る本で、とても参考になりました。健康のために健康食品・サプリを摂取している方は、ぜひ一度読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『「健康常識」のニセ科学』