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第1部 本

健康&エクササイズ

今と未来がわかる 皮膚の科学(本田哲也)

『今と未来がわかる 皮膚の科学 (ビジュアル図鑑)』2024/7/12
本田 哲也 (監修)


(感想)
 皮膚が担う重要な機能と役割や、皮膚のトラブルと病気について、図解で分かりやすく解説してくれる皮膚のビジュアル図鑑で、主な内容は次の通りです。
序 章 皮膚とは?
第1章 皮膚の構造
第2章 皮膚の機能と役割
第3章 皮膚の一生と老化
第4章 肌の不調と外的要因
第5章 アレルギーとアトピー性皮膚炎
第6章 皮膚の病気
第7章 皮膚の病気と治療法
第8章 健康な皮膚を保つには
第9章 最新皮膚研究と未来

「序 章 皮膚とは?」によると、皮膚は体重の約16%を占めている「人体最大の臓器」なのだとか。……皮膚が臓器? そんなことを考えたこともなかったので驚きました。
 皮膚には次の機能があるそうです。
・「(前略)ヒトの体全体をしっかりと覆うことで、必要な水分を保持し、不要な水分の透過を防いでいるのが皮膚なのです。」
・「(前略)皮膚のバリア機能を病原体が突破してしまった場合には皮膚の免疫システムがはたらき、生体を防御するために病原体を排除します。」
 ……この「皮膚の免疫システム」が、思っていた以上に大きなものだったことに驚かされました。
 まず「第1章 皮膚の構造」に、皮膚は、表皮、真皮、皮下脂肪組織の3層構造になっていることが書いてありましたが、意外だったのが、「真皮」の内容。次のように書いてありました。
「真皮を構成する成分は、細胞成分と間質成分の2つに分類されます。細胞成分は線維芽細胞をはじめ、組織球(マクロファージ)、肥満(マスト)細胞、形質細胞(抗体産生細胞)、真皮樹状細胞などを主と死、そのほかに神経や脈管があります。」
 そして真皮の血管は……
「動脈は皮下の皮動脈から真皮に至り、分枝が吻合して皮下血管叢をつくる。さらに多数の分枝が真皮の上方へ向かい、乳頭下層で乳頭下血管叢を形成。これらの細動脈は、乳頭層で相殺血管係蹄を構成して細静脈に移行する。細静脈は吻合し、細動脈と同じように乳頭下血管叢と皮下血管叢をつくり、皮静脈へと至る。」
   *
 そして「第2章 皮膚の機能と役割」では、皮膚の免疫機構について……
「(前略)これまでヒトの免疫器官としては、骨髄や胸腺などがよく知られてきましたが、実は人体で最も大きな免疫器官は皮膚であり、人類最大の免疫臓器ともいわれます。表皮には角化細胞やランゲルハンス細胞、真皮や皮下脂肪組織には、樹状細胞や組織球(マクロファージ)、B細胞、T細胞、肥満(マスト)細胞、好酸球、好中球など、数多くの免疫にかかわる細胞があり、細菌やウイルス、ダニやカビなど、免疫反応を引き起こす有害な物質(抗原)から人体を守ります。(中略)
 外界と直接接する皮膚は、多種多様な免疫細胞が、人体に害をもたらす病原体や有害物質などと戦いを繰り広げる、生体防御の最前線なのです。」
 ……免疫は骨髄や胸腺で作られて血管やリンパを巡っているのかと思い込んでいましたが、「人体で最も大きな免疫器官は皮膚」だったんですね!
 そして「第3章 皮膚の一生と老化」では、皮膚で最も気になるテーマ「老化」について、科学的にみっちり教えてもらえます。
「皮膚の老化は、加齢による皮膚の変化である内因性老化と、主に太陽光やそれに含まれる紫外線が原因となる外因性老化の2つに分類できます。」
 ……ということで、保湿などの対策も書いてありました。
 そして最も実践的に参考になったのが、「第8章 健康な皮膚を保つには」。そのいくつかを抜粋紹介すると次のような感じです(本書内にはもっと詳しい解説があります)。
「健康に皮膚を保つための保湿のポイント」
・「洗ったらすぐ」の保湿で乾燥を防ぐ
・自分に合った保湿剤を選ぶ
・適切な量・塗り方でしっかり保湿する(ティッシュペーパー1枚が貼り付く程度)
   *
「健康な皮膚を保つための生活習慣」
・規則正しい生活を心がける
・睡眠をしっかりとる
・適度な運動を取り入れる
  *
 もちろん食事(三大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質)にミネラルやビタミンをバランスよく摂取する)や生活環境についても詳しい解説がありました。
 この他にも、最新の皮膚がんの治療薬(免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬など)や、「皮膚常在菌」など、興味深い内容が満載で、とても勉強になりました。
『今と未来がわかる 皮膚の科学 (ビジュアル図鑑)』……皮膚の老化やアレルギー疾患やアトピー性皮膚炎など皮膚トラブルで悩んでいる方はもちろん、健康長生きを目指す方もぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『今と未来がわかる 皮膚の科学』