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第1部 本
社会
サクッとわかるビジネス教養 金融学(塚本俊太郎)
『サクッとわかるビジネス教養 金融学』2024/6/13
塚本 俊太郎 (監修)
(感想)
金融の基本から中央銀行・証券会社の役割、ファイナンスや為替、仮想通貨などについて詳しく解説してくれる本です。
お金の活用の5本柱は、「稼ぐ」「貯める」「守る」「使う」「育てる」で、この5本柱をうまく実践できれば、金融リテラシーを高められるそうです。
さて金融の仕組みとは、「中央銀行が発行したお金を、金融機関が橋渡ししながら融資、投資、貯蓄、交換などによってスムーズに流通させ、経済を発展させる仕組みです。」で、お金の役割には「価値尺度」、「価値交換」、「価値貯蔵」などがあります。
これらのことが最初の章「金融の超基本」で解説されていました。この他、金融機関の種類、中央銀行の役割、金利や外国為替などについても学べます。
金融については、新入社員の頃に一般教養的には学んだので、それなりに知っているつもりではありましたが……安全志向で、銀行などへの預金が中心だったので、知らないこともたくさんあるんだなーと痛感させられました。
まず「金融の超基本」では、日本とアメリカの中央銀行の違いについても学べました。
「日本の銀行は、「物価の安定」を図ることと、「金融システムの安定」に貢献することを目的としています。」ということは知っていましたが……
「FRB(アメリカの中央銀行)は、伝統的に「物価の安定」と「雇用の最大化」という「2つの責務」を担うこととされています。」……アメリカの中央銀行は、「雇用の最大化」を推進していかなければいけないんですか! ……それは知りませんでした。
そして第3章「投資商品の種類」。投資はあまりしてこなかったので、この章はとても勉強になりました。
例えば不動産投資にREITという方法があることを初めて知りました。
ちなみに不動産投資とは、「不動産を賃貸して賃貸収入を得る」、「不動産価格が値上がりして売買差益を得る」などのことを言いますが、もう一つの投資方法のREITは……
「J-REITは、多くの投資家から資金を集め、その資金で運用会社がオフィスビルやマンション、商業施設などの不動産を複数購入し、そこから得られた賃貸収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。」
……株式みたいな仕組みなんですね!
また投資信託の一種にETF(上場投資信託)というものがあるのも初耳でした。
国内株式、投資信託、ETF(上場投資信託)のメリット、デメリットには次のような違いがあるそうです。
1)国内株式
(メリット)自分で自由に銘柄を選定できる。保有期間中のコストがかからない。
(デメリット)銘柄を選定するのが難しい。最低購入金額が投資信託より高い。
2)投資信託
(メリット)100円からの低額で購入可能。個人では購入しにくい海外資産などにも投資可能。NISAに対応している。
(デメリット)信託報酬など、費用がかかる。基準価格算出が1日1回で、リアルタイムでの売買ができない。
3)ETF
(メリット)投資信託であるにもかかわらず、株式と同様に証券取引所の取引時間中はいつでも売買できる。信託報酬などのコストが低い。
(デメリット)最低購入金額が投資信託より高い。分配金は受け取り後しか再投資できない。
なお「ETFは、日経平均株価や、S&P500、REIT商品など、各種の指数に連動するインデックス型投資信託がメインです。」とのことでした。
そして「暗号資産」の現状について。まずその定義は……
「暗号資産は「ネット上でやりとりできる財産的価値」です。日本銀行は次の3つの性質を持つものと定義しています。」
1)法定通貨と相互に交換できるもの
2)電子的に記録され移転できるもの
3)法定通貨または法定通貨建ての資産ではないもの
……とのことで、
「暗号資産で利益を得る方法」は……
1)キャピタルゲイン:売買差益
2)ステーキング報酬:暗号資産を保有する人に対して、ブロックチェーンの安定稼働に貢献したことの対価として、報酬を受け取れる仕組み
3)レンディング:暗号資産を保有している人が、暗号資産区間業者を通じて、第三者に暗号資産を貸して、賃貸料を得る
4)エアドロップ:暗号資産交換業者や発行者が、イベントなどで定められた条件を満たしたユーザーに暗号資産やトークンを無償配布すること
……などがあるそうです。
さらに第4章「金融の現状とこれから」では、金融の未来、金融業界のAI活用例などについても解説がありました。
金融の未来は、インターネットや、スマートフォンなどのオンラインでの取引のみに集約されていくと予想されていて、お金の変遷は、「現在は紙幣と貨幣、電子マネーが主流ですが、お金のデジタル化により、将来的には個人とお金がデータで紐付けられるでしょう。」とのことでした。
また金融業界でもAIの活用が進んでいるようで、その事例として、将来の資金需要予測、個別銘柄の分析、ロボアド投資(AI投資)、駐車場利用率の分析により売上予測が立てられる、問い合わせ対応におけるチャットボットの導入、パーソナライズドされたアドバイスの提供、融資仲介、返済できるかのフラグを立てられる、サイバー・セキュリティ対策の強化、などがあげられていました。
『サクッとわかるビジネス教養 金融学』……金融についての概要を学べる本でした。一般教養としての自分の金融知識をアップデートできて、有意義だったと思います。ここで紹介した以外にも、投資リスクや、NISAなど、さまざまな情報を学べます。
お金の知識は社会人には不可欠だと思います。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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『サクッとわかるビジネス教養 金融学』