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第1部 本

脳&心理&人工知能

最新AI産業の動向とカラクリがよ~くわかる本(讃良屋安明)

『図解入門業界研究 最新AI産業の動向とカラクリがよ~くわかる本』2024/1/19
讃良屋安明 (著)


(感想)
 新しい成長産業として注目されているAI産業について、国内外の最新情報や主要企業の動向、最新技術の基礎知識などを分かりやすく解説してくれる入門書で、主な内容は次の通りです。
第1章 AI業界概況
第2章 主なAI技術とその応用
第3章 ジェネレーティブAI
第4章 AIを用いているサービス
第5章 AI産業の職種
第6章 AI産業で働きたい人のためのガイド
第7章 国内外のAI企業
第8章 AI産業に関連する産業とその影響
第9章 未来社会のビジョン・テクノロジーと人間の共生
   *
「第1章 AI業界概況」によると、本書のAI産業の定義は……
1)AIエンジン開発を主に行うソフトウェア産業の部門
2)特定の産業に特化したAIを開発する部門
3)AIを利活用し、新たな価値創造を提供する各業界の部門
 ……となっていて、AI産業の主要プレイヤーには、次のものがあるそうです。
<ハードウェアのベストプレイヤー>
・NVIDIA:高性能GPU先駆者
・Intel:CPUでは最も有名なメーカー
・AMD: Intelに次ぐCPUメーカー
・Google:ハードウェアではTPUを製造
<ソフトウェアのベストプレイヤー>
・IBM:自然言語・機械学習AI(Watson)
・Amazon:クラウドAIサービス(AWS)
・Microsoft:クラウドAIサービス(Azure)
・Google:クラウドAIサービス(グーグルクラウド)
・ServiceNow:企業向けAI統合サービス(AIOps)
   *
 ……やっぱりITの巨大企業が、AI産業でも強いんですね……。
 そして「日本のAI8市場」は次の通りだそうです。
1)機械学習プラットフォーム
2)時系列データ分析
3)検索・探索
4)翻訳
5)テキスト・マイニング/ナレッジ活用
6)音声合成
7)音声認識
8)画像認識
 日本のAI市場は2026年には8千億円以上に成長する見込みで、特に機械学習や音声認識などの成長が予想されているそうです。
またAI産業の規制と政策としては……
「経済産業省は、AIによるイノベーションの促進や安全な利用環境の確保を目指して、2022年にAI原則実践のためのガバナンス・ガイドラインを公表しました。」
 そして「広島AIプロセス」とは……
「先進7か国(G7)が人工知能(AI)の開発や利活用、規制などに関する国際的な枠組みを構成するために設立した協議体であり、実務者レベルの作業部会と担当閣僚レベルの会合から構成されている。
 G7主導によるAIの国際ルールづくりを急ぐ試みとして注目されている。」
(広島AIプロセスの主な目的)
・人間中心の信頼できるAIの推進と普及
・生成AI(ChatGPTなど)に関する課題の議論と解決策の提案
・著作権保護や偽情報対策などの知的財産や倫理の問題の検討
・AIの軍事利用や安全保障への影響の評価と管理
・AIのイノベーションや産業への貢献の促進
   *
 ちなみにAI先進国のアメリカでは、国家AIイニシアチブ局を設立したり、「AIの過ちをインシデント・データベースに蓄積する」ことが始まっていたりしているようです。
 またAI技術の最新トレンドの中で面白いと思ったのは、「観察による自動学習」をする次世代ロボット。NVIDIAが開発したロボットは、人間がタスクを実行する過程を観察し、その情報を学習し、リアルに自ら行えるようになるのだとか……凄いですね☆
 AIに基づくサイバーセキュリティにも期待がもてそうです。例えばPalo Alto Networks社のMagnifier(行動分析AIソリューション)は、機械学習を用いてネットワークの挙動をモデル化することにより異常検出をして脅威検出の精度を高めているようです。
 AIは今後、さまざまな産業でどんどん使われていることが予想されています。例えば自動車産業(自動運転技術)、医療産業、金融産業、ロボット産業、製造業、教育産業などですが、社会全体にも大きな影響を与えていくことでしょう。
 だからAI産業が就職先として最も有望なものの1つであることは、間違いないと思います。このAI産業に必要なスキルとしては、次のものが挙げられていました。
1)AIの基礎知識
2)コミュニケーション能力
3)プログラミングスキル
4)データ分析スキル
5)論理的思考力
6)創造性
 そして、これらAIスキルを身に付ける方法としては、大学の大学院のプログラム、オンラインコースと認定、専門学校や短期コース、自己学習などがあるそうです。
 また「第5章 AI産業の職種」では、次のような職種についての概説もありました。
・データサイエンティスト
・マシンラーニングエンジニア
・データエンジニア
・ソフトウェアエンジニア
・AIエンジニア
・ロボティクスエンジニア
・プロンプトエンジニア
・AIプログラマー
 そして「第7章 国内外のAI企業」には、次の企業の簡単な紹介があります。
(Google、Meta、Amazon、Apple、Microsoft、IBM、OpenAI、Tencent、Alibaba、百度、フィーチャ、ニューラルグループ、ユーザーローカル、Appier Group、PKSHA Technology、Preferred Networks、ブレインパッド、HEROZ、アマナイメージズ、FRONTEO、ダブルスタンダード)
 ここではMicrosoftの次の情報も参考になりました。
・「Microsoft Learnサービスは、無料でアクセスできる学習プラットフォームで、AI、クラウドコンピューティング、データサイエンスなどの分野でのトレーニングや教材が提供されています。初心者から上級者まで、自分のペースで学べるカリキュラムとリソースが充実しています。」
・「Microsoft365 Copilotは、大規模言語モデル(LLM)とMicrosoft Graph内のデータ(カレンダー、メール、チャット、文書、会議など)を組み合わせ、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、TeamsなどのMicrosoft365アプリと連携して、より効率的な生産性を提供するAI支援ツールです。」
 ……AIを仕事で利用することに興味がある方は、この無料の学習プラットフォームや、Microsoft365アプリと連携したAI支援ツールを利用してみるのもいいかもしれません。
 この他にも、「第2章 主なAI技術とその応用」では……
「近年では、機械と生物学的特性を組み合わせて、生物の動きや感知能力を模倣したロボットであるバイオハイブリッドロボットなどの開発も進んでいます。(中略)東京大学は自己修復能力を持つ培養皮膚で覆われた、人の指のようなロボットを開発しています。」
 ……などの新しい情報をいろいろ知ることが出来ました。
 ただ……全体としては概説レベルの紹介がほとんどだったので、もっと具体的な情報が知りたい方は、さらに専門的な本を読む必要があると思います。
『図解入門業界研究 最新AI産業の動向とカラクリがよ~くわかる本』……AI産業の基本的な知識から最先端の技術トピック、幅広い疑問や課題、国内外のAIサービスや企業まで、図や表を交えてわかりやすく解説してくれる業界研究書で、これからAI産業について知りたい人向けの入門書です。興味がある方は、読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『最新AI産業の動向とカラクリがよ~くわかる本』