ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
健康&エクササイズ
スマホアイ(松岡俊行)
『スマホアイ 眼科専門医が教える目と脳と体を守る方法』2024/4/27
松岡 俊行 (著)
(感想)
視力が落ちるだけではなく、運動能力や学習能力、さらにはコミュニケーション能力の低下も招くかもしれない「スマホアイ」の恐ろしさと、スマホとの上手な付き合い方を眼科医の松岡さんが教えてくれる本です。
最近、私たち日本人は遠くを見る機会が少なくなり、近くばかりを凝視していますが、そんな近くの狭い範囲を見ることに慣れた「スマホアイ」の特徴は……
・眼球運動が鈍い
・視野が狭い
・両眼視機能が弱い
……というものだそうです。そしてスマホアイで引き起こされる症状には……
・調節緊張/調整麻痺(スマホ老眼)
・急性内斜視
・近視の進行
・眼精疲労(疲れ、かすみ、充血、頭痛、肩こりなど)
・ドライアイ
……などが……なんか、私にも一部当てはまるような(涙)……次のことも書いてありました。
「怖いのは、ずっとスマホの画面ばかり見ていると中心ばかりに注意が向けられ、周辺視野の刺激を感じないように脳が調教されてしまうようなこと。(中略)
その結果、本来は広いはずの視野が狭まり、視野の中心しか認識できないスマホ仕様の目になってしまうのです。」
……視野が狭まると、運動が苦手になってしまそうです。特にお子さんには悪影響が多いようで……
「子どものころから外に出ていろんな経験を積むことで周辺視野にも注意が向くようになり、(中略)視野の広さが磨かれていくわけです。」
……子どものころは、外で遊ぶとか散歩するとか、積極的に外に出るべきなんですね。
それだけでなく、両眼視機能などの「視覚情報を分析、認知・判断・理解する機能」に問題があると、文章がうまく読めなくなるという症状が起こることさえあるのだとか。スマホアイが進むと、勉強は得意なのに、音読が苦手なケースも起こりえるそうです(目の動きが悪くて紙の本をうまく読めなくなる)。
……怖いですね。視覚の臨界期とされるのは、生まれてから6歳ごろまでの期間だそうで、この期間に十分な視覚刺激が提供されないと、視覚野の発達が遅れる可能性があるのだとか……この時期にスマホを長時間見ていると、視野が狭まって、知能や運動能力にまで悪影響が出るかもしれないそうです。
……これはぜひ予防しないと!
予防のためには……
「スマホアイを予防するためにまず大切なのは、近くを長時間見続けないことです。」
また「目を疲労から守る20・20・20ルール(20分スマホやパソコンを見たら、20秒間、20フィート(約6メートル)先を眺める)」とか、「なるべく長い時間、外で活動する」とか、「子どもは平日なら合計1時間、休日でも合計2時間以内に抑えて欲しい」などのことが書いてありました。
スマホアイは改善もできるようで、次のことが「目にいい習慣」だそうです。
1)潤い補給で赤ん坊のようなきれいな目に(加湿器。必要なら目薬も)
2)ぬるめのお風呂にゆっくりつかる
3)ホットアイマスクで目の油分のつまりを解消(ただし充血しているときには、逆効果になるので使用は避ける)
4)睡眠時間はとにかくたっぷり。
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また、ビタミンA、E、C、オメガ3脂肪酸、アスタキサンチン、亜鉛、アントシアニンなどの栄養素も、積極的に摂るべきなのだとか。
本書の最後には、それでも近視になってしまった人のために、寝ている間に専用のコンタクトレンズを装着することで視力回復を図る「オルソケラトロジー」などの方法も解説されていましたが、これは保険適用外だそうです。
私は専門家ではないので「オルソケラトロジー」などの良否は判断できませんが、少なくともここで紹介されている「目にいい習慣(生活習慣の見直し)」は、スマホを長時間利用しないことや、運動(とくに外での活動)、睡眠、食事の改善で、これらは健康にも良いとされているものばかりだと思います。
『スマホアイ 眼科専門医が教える目と脳と体を守る方法』……スマホはすでに私たちの生活になくてはならないものですが、残念ながらスマホは、目だけでなく運動能力や知力にも悪影響を与える可能性が高いので、利用時間をできるだけ短くすること、健康的な生活を送るよう心がけることが、とても大事だということを教えてくれる本でした。みなさんも(お子さんのいる方は特に)ぜひ、読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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『スマホアイ』