ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
描画参考資料
世にも至宝な博物館(丹治俊樹)
『世にも至宝な博物館 ~後世に遺したい50のみらい遺産 (ビジュアルガイドシリーズ)』2023/10/16
丹治俊樹 (著)
(感想)
北海道から沖縄まで全国津々浦々、博物館ハンターの丹治さんが新たに巡礼した、選りすぐり全国《 50 》の博物館へといざなってくれる本で、『世にも奇妙な博物館』に続くミュージアムガイド第二弾です。
こ、こんな博物館があったの!? と驚かされる博物館をたくさん見ることが出来ました(笑)。
もう最初の「1) 三毛別ヒグマ事件復元地・苫前町郷土資料館(北海道)」から「驚愕!」。
森の中の掘立小屋(開拓小屋)の後に巨大グマがいるのです。なんとこの資料館、大正4年12月9日から14日に発生した「三毛別ヒグマ事件」、日本史上最悪の大惨事となったクマによる獣害事件を扱う施設なのだとか! 次のように紹介されていました。
「事件が起こったのは、北海道の北部に位置する苫前町。町の中心部から山奥へ続く道路を進むと、三毛別ヒグマ事件の様子を復元した場所が出現する。森の中にあり、周辺に民家はなくスマホの電波も届かない場所だ。復元地には、巨大なクマと小さな小屋、さらには事件の概要が書かれた看板などが立てられている。」
「二日間で7人が殺され3人が重傷を負わされた凄惨な事件だけに、住民たちは恐怖のどん底だった。救援隊、鉄砲撃ち、マタギたちが仕留めにかかるも、弾は当たらず、逃げられ続け、手の施しようがなかった。しかし足跡と血痕を辿り、最終的には熊撃ち名人として名高い老マタギ・山本兵吉(当時58歳)の銃弾によって、事件発生後6日目に終焉を迎えた。」
……うわー……2023年の今年もクマによる獣害事件が多発しているだけに……いっそう恐ろしさを感じてしまいます。こんな資料館があったとは……。
また「4) 青函トンネル記念館(青森県)」もスゴイ感じです。次のように書いてありました。
「青函トンネルが開通してすぐの昭和63年7月に開館したこの記念館は、当時世界でも類を見ない海底トンネル工事の軌跡について知ることができるほか、海面下140mの世界に足を運び、実際の作業坑を歩くという、大変貴重な体験ができる施設なのだ。」
「海面下140mの世界を体験できる体験坑道へは、斜度14度の竜飛斜坑線によって一気に下っていく。終点の体験坑道駅からは、つるはしや掘削機など実際に作業で使われた工具などを見学しながらスタッフが案内してくれる。巨大な坑道が続く外界から閉ざされた世界なだけに、よそでは体験することのできない非日常な空間といえよう。」
……体験坑道だけでなく、竜飛斜坑線を下りているらしい車内の写真もあって、いろんな非日常体験ができる場所だったんですね! 行ってみたくなりました。
こんな感じで、かなりレアな博物館や資料館がたくさん紹介されていました。フルカラーの写真で施設の様子がちょっと分かるだけでなく、ガイドブックとしても使えるように施設の外観写真・住所・電話番号・休みや展示時間・料金なども紹介されています。
冒頭には見開きページで大きな写真もあって、これも見ごたえがあります。
『世にも至宝な博物館』というタイトルなので、宝石っぽいゴージャスな博物館が多いのかと予想してしまいましたが……そういう豪華さはまったくありませんでした(苦笑)。とにかくレアなテーマを扱っている博物館が多かったと思います。
本書で紹介されている博物館は次の50館です。気になる博物館があったら行ってみてください。また、すごく遠い博物館の場合は、この本を見ると、ちょっと行った気になれると思います……眺めるだけでも楽しいです。ぜひ読んでみてください。
北海道・東北
1) 三毛別ヒグマ事件復元地・苫前町郷土資料館(北海道)
2) 北見ハッカ記念館(北海道)
3) 月形樺戸博物館(北海道)
4) 青函トンネル記念館(青森県)
5) 太宰治記念館「斜陽館」(青森県)
6) 八幡平市松尾鉱山資料館(岩手県)
7) 深澤晟雄資料館(岩手県)
8) 震災遺構 仙台市立荒浜小学校(宮城県)
9) 小坂鉱山事務所(秋田県)
10) 日中線記念館(福島県)
関東
11) 神谷傳兵衛記念館(牛久シャトー内)(茨城県)
12) 首都圏外郭放水路(埼玉県)
13) 木力館(埼玉県)
14) 森永卓郎B宝館(埼玉県)
15) 浦安市郷土博物館(千葉県)
16) 塙保己一史料館(東京都)
17) 旧日立航空機立川工場変電所(東京都)
18) 明治大学平和教育登戸研究所資料館(神奈川県)
19) 宮川香山 眞葛ミュージアム(神奈川県)
コラム 小田原 街かど博物館
北陸
20) 瞽女ミュージアム高田(新潟県)
21) 立山カルデラ砂防博物館(富山県)
22) 中谷宇吉郎 雪の科学館(石川県)
23) 福井県年縞博物館(福井県)
中部
24) 釈迦堂遺跡博物館(山梨県)
25) 御師 旧外川家住宅(山梨県)
26) 志賀高原歴史記念館(長野県)
27) 神長官守矢史料館(長野県)
28) 由比宿東海道あかりの博物館(静岡県)
29) 吉田松陰寓寄処(静岡県)
30) 昭和日常博物館(愛知県)
31) 壱番屋記念館(愛知県)
32) 日本独楽博物館(愛知県)
関西
33) 豊郷小学校旧校舎群(滋賀県)
34) 京都国際マンガミュージアム(京都府)
35) 亀の瀬地すべり歴史資料室(大阪府)
36) ならまち糞虫館(奈良県)
37) 春林軒(和歌山県)
38) トルコ記念館(和歌山県)
中国・四国
39) つやま自然のふしぎ館(岡山県)
40) ふりかけ資料館 楠苑(広島県)
41) 大久野島毒ガス資料館(広島県)
42) 金子みすゞ記念館(山口県)
43) へんろ資料館(通称:おへんろ交流サロン)(香川県)
44) むろと廃校水族館(高知県)
九州・沖縄
45) 旧佐世保無線電信所(針尾送信所)施設(長崎県)
46) 日本二十六聖人記念館(長崎県)
47) 水俣病歴史考証館(熊本県)
48) 佐伯市水の子島海事資料館・渡り鳥館(大分県)
49) 万世特攻平和祈念館(鹿児島県)
50) 旧海軍司令部壕(沖縄県)
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