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第1部 本
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デジタル関係法のツボとコツがゼッタイにわかる本(楠目聖)
『デジタル関係法のツボとコツがゼッタイにわかる本』2023/9/16
楠目聖 (著), 亀山大樹 (著)
(感想)
デジタル化に関係する幅広い法律についてQ&A形式で解説してくれる本で、デジタル化に関係する幅広い法律を概観し、その背後にある考え方や制度が学べる入門書です。
デジタル化関連の主な法律の略称(と正式名称)は次の通りですが、もちろんこれ以外の法律も多数紹介されていました。
・デジタル手続法(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律)
・公的個人認証法(電子署名に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律:マイナンバーカード等を使った「電子利用者証明」を利用するための仕組み(なりすましを防ぐ))
・キャッシュレス法(情報通信技術を利用する方法による国の歳入等の納付に関する法律)
・e-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)
・電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)
・マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)
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「デジタル化の基本原則」は次の通りだそうです。
1)デジタルファースト:個々の手続き・サービスが一貫してデジタルで完結する
2)ワンスオンリー:一度提出した情報は、二度提出することを不要とする
3)コネクテッド・ワンストップ:民間サービスを含め、複数の手続き・サービスをワンストップで実現する
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さてデジタル化で気になるのは「個人情報」ですが、その取扱いに関する原則が作られたのは意外に早く、昭和55年だそうです。
その「個人情報の取扱いに関する基本原則(OECD8原則)」は次の通りです。
1)収集制限の原則
2)データ内容の原則(利用目的に必要な範囲内で正確・完全・最新)
3)目的明確化の原則
4)利用制限の原則
5)安全保護の原則
6)公開の原則
7)個人参加の原則
8)責任の原則
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そしてもう一つ気になるのが「サイバーセキュリティ」。「サイバーセキュリティ基本法(2014年制定)」は、サイバーセキュリティに関する施策について、基本理念や施策の基本となる事項を定めた法律だそうで、サイバーセキュリティ上の重要インフラとしては、情報通信、金融、航空、空港、鉄道、電力、ガス、政府・行政サービス、医療、水道、物流、化学、クレジット、石油の14分野が選ばれているようです。
次の「サイバーセキュリティに関するガイドラインの例」も、とても参考になりました。
(経営者向けのもの)
・サイバーセキュリティ経営ガイドライン
・中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン
(業種別のもの)
・医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
・医療情報を取り扱う情報システム・サービス提供事業者における安全管理ガイドライン
・自動車産業サイバーセキュリティガイドライン
(地方自治体等向けのもの)
・地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン
・教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン
<情報セキュリティに関する認証の仕組み>
・Pマーク(プライバシーマーク制度)
・ISMS認証
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そして今後の日本のデジタル社会形成の司令塔として設置された「デジタル庁」についても、解説がありました。その一部を紹介すると……
・(デジタル庁の所掌事務としては)「デジタル社会の形成のための施策に関する基本的な方針に関する企画立案や総合調整のほか、デジタル社会の形成に関する重点計画の作成、官民データの利活用、マイナンバー、国の情報システムの整備等の業務の推進すること。」
・「国の行政機関の情報システム整備については、デジタル庁が行政各部の事業の統括・管理が定められており、情報システム関係予算をデジタル庁に一括計上し、各府省に配分して執行する仕組みとなっています。」
……ということで、デジタル庁が注力する4つの領域は、次のものだそうです。
1)良いサービスを作るための「標準」の策定・推進
2)良いサービスを支える「共通機能」の整備・展開
3)緻密な改善を実現する「体制」強化
4)推進力を強化するための「ガバナンス手法」の見直し
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日本のデジタル化を健全に進めていくために、デジタル庁の活躍に期待しています☆
『デジタル関係法のツボとコツがゼッタイにわかる本』……デジタル化に関係する幅広い法律を概観して、その背後にある考え方や制度も含めて解説してくれる入門書でした。法律に関する本なので、「ツボとコツがゼッタイにわかる」というほど理解ができたわけではありませんでしたが(汗)、だいたいの内容を概観できて、とても参考になりました。
様々な業種の企業でデジタル化の対応に当たっている総務・法務・システム部門の方や、手続や業務のデジタル化が急務の地方自治体の関係者の方などに向けた本のようですので、「デジタル化」の仕事に関わっている方は、ぜひ読んでみてください。
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