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第1部 本
IT
情報倫理 ネット時代のソーシャル・リテラシー(髙橋慈子)
『【改訂3版】情報倫理 ネット時代のソーシャル・リテラシー』2023/3/16
髙橋 慈子 (著), 原田 隆史 (著), 佐藤 翔 (著), 岡部 晋典 (著)
(感想)
イラストと図解で「インターネットを通じたコミュニケーションで、気を付けるべきことは何か」「情報発信をする上で、してはいけないこととは何か」といったルールやモラルを学べる本で、内容は次の通りです。
第1章 情報倫理とは
第2章 情報通信社会とインターネット、進化と変遷
第3章 ネット時代のコミュニケーション
第4章 メディアの変遷
第5章 メディア・リテラシー
第6章 情報技術とセキュリティ
第7章 インターネットと犯罪
第8章 個人情報とプライバシー
第9章 知的所有権とコンテンツ
第10章 企業と情報倫理
第11章 科学技術と倫理
第12章 ビッグデータとAIの倫理
第13章 デジタルデバイドとユニバーサルデザイン
第14章 ソーシャルネットワークサービス(SNS)と情報モラル
第15章 情報通信社会とリテラシー
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「はじめに」には、次のように書いてありました。
「豊かで安全、安心して暮らせる社会を築いていくには、「情報倫理」と呼ばれる情報に関するモラルやルールを理解し、実践することが重要です。」
そして「第1章 情報倫理とは」には、倫理が「人として守り行うべき道」を意味しているなどの定義の他に、情報倫理が重要になってきたわけとして、次のようなことが挙げられていました。
1)情報に関わる人々の範囲が大きく、多様になってきた
2)情報技術が日常生活に与える影響が大きくなってきた
3)情報社会で個人が他人に与える影響が大きくなってきた
4)情報社会で犯罪行為が容易化し、影響範囲が大きくなってきた
5)情報格差が懸念されている
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また「第3章 ネット時代のコミュニケーション」では、ネットでのコミュニケーションの留意点として、次のものが挙げられていました。
・参加者が互いに尊重する
・一時の感情で書き込まない
・引用や転載に留意する
・自分や知人のプライバシーに留意する
・知的財産権に留意する
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……これらはとても大事なことだと思います。
そして「第5章 メディア・リテラシー」によると、メディア・リテラシーを高めるためのポイントは、次の通りです。
・情報の発信元はどこかを見極める
・情報の発信者の信頼性を調べる
・複数の情報源で調べて比較する
・正確で役立つ情報を発信するよう心がける
・文章、映像で情報を発信し、読み手にどう受け取られたかを意識する
・間違った場合は訂正する勇気を持つ
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また「第14章 ソーシャルネットワークサービス(SNS)と情報モラル」では、SNSで発信すべきでない情報として、次のものが挙げられていました。
・他人を誹謗中傷する内容
・他人のプライバシーに関する内容
・公序良俗に反する内容
・人権、民族、言語、宗教、身体、病気、性、思想、信条などに関する差別的な内容
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……これらも、とても大事なことだと思います。
さらに誹謗中傷をネットに書かれたら、相談窓口(「インターネット違法・有害情報 相談センター」)などを利用するなどの対処法も紹介されていました。
とても参考になる情報がたくさんあったのですが、全体としてはネット・リテラシー全般の概要紹介(入門書)という感じで、タイトルの『情報倫理』に関する具体的な情報には乏しかったように感じました。もっと「情報倫理」に特化した内容で、具体的事例があることを期待していたのですが……その点が少し残念でした。
ただ、各章とも末尾に「参考文献やWebサイト」が紹介されているので、もっと詳しいことを知りたい人は、それを参考にすることが出来ると思います。
なお、参考Webサイトの一部を、以下に抜粋して紹介します(本書内では、サイトのURL名など、もっと詳しい紹介があります)。
(メディア・リテラシー 参考Webサイト)
・ICTメディアリテラシー(総務省)
・放送分野におけるメディアリテラシー(総務省)
・フェイクニュースを見抜くには(NHK for School)
(情報技術とセキュリティ 参考Webサイト)
・情報セキュリティ(情報処理推進機構IPA)
・ここからセキュリティ(総務省)
・国民のための情報セキュリティサイト(総務省)
・公的個人認証サービスポータルサイト(地方公共団体情報システム機構)
(インターネットと犯罪 参考Webサイト)
・サイバーセキュリティインフォメーション(警視庁)
・警視庁 サイバー犯罪対策プロジェクト(警視庁)
・金融犯罪の手口(全国銀行協会)
・ランサムウェア対策 特設ページ(情報処理推進機構IPA)
(個人情報とプライバシー 参考Webサイト)
・データ戦略(デジタル庁)
・SNS利用上の注意(総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト)
(知的所有権とコンテンツ 参考Webサイト)
・著作物って何?(公益社団法人著作権情報センター)
(企業と情報倫理 参考Webサイト)
・コーポレート・ガバナンス・コード(東京証券取引所)
・情報セキュリティガバナンス確立促進事業(経済産業省)
・政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準群(内閣サイバーセキュリティセンター)
(科学技術と倫理 参考Webサイト)
・科学技術倫理オンラインセンター(名古屋大学)
(デジタルデバイドとユニバーサルデザイン 参考Webサイト)
・デジタル庁 ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック(デジタル庁)
(ソーシャルネットワークサービス(SNS)と情報モラル 参考Webサイト)
・都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧(警察庁)
・困ったときの相談窓口「SNS」(厚生労働省)
・プロバイダ責任制限法 関連情報Webサイト
(情報通信社会とリテラシー 参考Webサイト)
・サイバーリテラシー教本
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旅行をするときの切符や航空券の購入、銀行サービス、さらには行政サービスなどでも、スマホやパソコンを使うのが「普通」という社会になりつつある現在、IT技術のリテラシーは、日本人として必須科目になりつつあります。この本は、「情報倫理」を含めた「情報リテラシー」全般の概要を学べる入門書なので、これから「情報倫理」「情報リテラシー」を学びたい方は、ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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