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第1部 本

健康&エクササイズ

人体の超基本(工藤孝文)

『トレーニング・ダイエットの前に 今さら聞けない 人体の超基本』2022/12/7
工藤 孝文/監修 (著)


(感想)
 トレーニングやダイエットをする前に知っておきたいこと、栄養について、病気やけがが治るしくみ、心と体の関係など、知っているようできちんと知らない「人体の構造やしくみ」を解説してくれる本です。
「はじめに」には次のように書いてありました。
「(前略)身体を知ることは健康維持に役立つだけではありません。さまざまな人を思いやることができ、人間関係も円滑になるのです。」
 ……確かに。
 そして「Chapter 1 身体って不思議」では、身体のしくみを総合的に知る(復習する)ことが出来ました。そのごくごく一部を紹介すると、次のような感じ。
・「心拍数は、新生児は1分間に120~140回、成人は60~75回、高齢者は60回ほどと、年齢とともに減少します。赤ちゃんや子どもは、成長のためのエネルギーが必要であるため、心臓を多く動かして酸素を多めに取り入れ、エネルギーをたくさん生み出そうとしています。」
・「血しょうは、ホルモンや栄養分などを全身に運び、老廃物を排出する役割をしています。」
・「リンパ液の成分はリンパしょうとリンパ球です。主成分となるリンパしょうは、毛細血管の血しょうがしみ出たもので、血液で運ぶことのできない老廃物や脂肪を運ぶ役割を担います。リンパ球は白血球の仲間で、細菌やウイルスなどを攻撃して排除します。」
・「肝臓は、約1~1.5キログラムもある人体最大の臓器です。胆汁の生成や有害物質の解毒など、500以上もある肝臓の働きでもっとも重要なのは、摂取した栄養分の処理です。エネルギー源である炭水化物が小腸で分解されると、門脈を通って肝臓に送られます。それをエネルギーとして使えるブドウ糖に分解し、血液に放出して全身に供給します。また、余った糖はグリコーゲンという物質に変えられ、肝臓に貯蔵されます。タンパク質が肝臓で分解・合成される際に、有害なアンモニアが発生します。これを肝臓が尿素に変えて血液中に流し、腎臓から尿として排出されます。」

 また「Chapter 2 身体の不調と病気」では、生活習慣病を含む一般的な病気のことが書いてありました。
ちょっと意外だったのが、「病気になるとなぜ熱が出るの?」。次のようなことが書いてありました。
「白血球は、病原体との戦いを始めると、脳血管の内皮細胞に作用する物質を分泌し、この物質が体温調節中枢に作用します。そのため体温が上昇するのです。白血球は高温の方が活発になり、反対に病原体は高温に弱い性質をもっています。つまり発熱は、病原体が侵入した身体に必要な機能なのです。病原体がいなくなると、体温は下がります。」
 ……ということは、風邪をひいて熱があるとき、熱を冷まそうと冷たいタオルを額に当てたりするのは、実は逆効果なのかもしれませんね……。
 そして個人的に一番興味津々だったのは、やっぱり「Chapter 3 理想の身体になる」。ここでは、ダイエットや運動方法について書いてありました。
 例えば「有酸素運動による脂肪燃焼のしくみ」は……
「有酸素運動をすると、脳がエネルギーを必要とし始め、アドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンを分泌します。これらのホルモンが脂肪分解酵素を活性化し、脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解されることで、筋肉でエネルギーとして使用することができるのです。」
 なお脂肪燃焼は、「無酸素運動(筋トレ等)」→「有酸素運動(ランニング等)」の順番で行うのが効果的だそうです。
 また「効果的な筋力トレーニングの進め方」は……
「効果的に筋肉を増大させる場合、筋力トレーニングは毎日ではなく、週に2回ほど行うのがよいといわれています。それは、筋肉の「超回復」というしくみのためです。」
超回復のサイクルは一般的にトレーニング後48~72時間。このタイミングにトレーニングを行うと効果的に筋力を向上させられるのですが、休息が長すぎると筋力が元の状態に戻ってしまうので、続けるのが大事なのだとか。
 さらに「体幹とインナーマッスルのちがい」では……
「体幹とは、頭や両腕、両足を除いた胴体部分のことで、腹筋、背筋、胸筋などに当たります。インナーマッスルは、身体の中心に近い、外から触ることのできない筋肉のことで、体幹だけでなく肩、腕、足などさまざまな部分にあります。」
「インナーマッスルは一般的な筋力トレーニングでは鍛えることが難しいため、「ドローイン」というトレーニングが用いられます。ドローインは、お腹をへこませたままで呼吸をする、というシンプルなトレーニング法です。」
 ……そうだったんだ。「ドローイン」も日課にとりいれてみようかな……。
 とても参考になる『トレーニング・ダイエットの前に 今さら聞けない 人体の超基本』でした。解説が分かりやすい上に、イラストが多用されているので、教科書的な内容の割には読みやすいと思います。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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