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第1部 本

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未来ビジネス図解 これからのNFT(森川夢佑斗)

『未来ビジネス図解 これからのNFT』2022/10/3
森川 夢佑斗 (著)


(感想)
 多様なデジタルコンテンツを資産として扱うNFTについて、分かりやすく解説してくれる入門書で、内容は次の通りです。
Prologue
(新型コロナウイルスをきっかけに急拡大するデジタル空間 など)
Part. 1 NFTとは何か
(NFTの構造と仕組み/NFTという言葉の意味/NFTの4つの特徴/NFTに備わった2つの価値 など)
Part. 2 NFTを支えるブロックチェーン
(NFTの基幹をなすブロックチェーン/ブロックチェーンの仕組みと特徴/トランザクションと手数料 など)
Part. 3 NFTビジネスの動向
(NFTビジネスを検討するポイント/メタバースでのNFT/NFTを証明書として利用するユースケース/NFTを用いDXに取り組むさまざまな業界/NFTで変わるマーケティング など)
Part. 4 NFTに触れてみよう!
(マーケットプレイスとその分類/NFTを買ってみよう!/自分のNFTを発行してみよう)
Part. 5 NFTをめぐるさまざまな論点 など
(NFTの所有権/NFTと金融規制/NFTを扱う際の会計/NFTの取扱いにかかる税金は? など)
Epilogue
(NFTの未来とは 貢献が可視化され豊かさを共有する社会に)
 デジタルな体験や物事にアナログと同等の価値が見出されるようになり、がぜん注目を集めているのが「NFT」というデジタルアセット。「Prologue」には、次のような驚きの事例が紹介されていました。
「2021年3月にデジタルアーティスト・BeepleのNFT作品「Everydays-The First 5000 Days」が世界二大オークションハウスの1つであるクリスティーズのオンラインセールにて、約6935万ドル(約75億円)の価格で落札されたことは、NFTが注目を集める大きなきっかけとなりました。」
「NFTの取引額も急増しており、2021年に約3兆1000億円の取引が記録されています。2021年のたった1年間で200倍以上の成長を遂げたのです。」
 ……そんな金額のNFT作品がすでに取引されていたんですね……。
 そして「Part. 1 NFTとは何か」には、「NFTとはデジタルアセットの代表格で、代替性をもたないデジタルデータです。」とありましたが……いまいちイメージがつかめないですよね(笑)。本書では、「NFTの性質はドメイン」に似ているということで、ドメインとの共通点・相違点が次のように書いてありました(なおドメインとは、コンテンツとメタ情報が、どのコンピュータでどのように保管されているか、誰にその管理権限があるかを示すものです)。
 まず共通点は……
「NFTもこれと同様に、ドメインに相当するブロックチェーン上のデータに、コンテンツとメタ情報を紐づけ、保管することによって形成されています。
 ブロックチェーン上のデータもドメインと同じようにそれ自体は簡素で、コンテンツやメタデータと結びついて初めてそれが何なのかが分かるようになります。
 NFTとドメインの共通項はそれだけではありません。ドメインもNFTも売買市場が存在しています。」
 そして相違点の方は、ドメインの役割はデータの保管場所を所有しているのが誰かを明らかにすることだが、NFTはコンテンツ一つ一つを識別している(固有の存在として識別する細かさが違う)というような解説がありました(本書内では、両方とももっと詳しく解説されています)。
 そしてNFTのデータ構造は……
「NFTの場合は、以下の3つがブロックチェーンを含む複数のサーバ上に記録され、それらがリンクすることで1つのNFTが構成されています。
1)対象となるコンテンツデータ
2)対象に関わる情報(メタデータ)
3)ブロックチェーン上でのステータス情報(インデックスデータ)」
 またNFTの移転は、不動産の登記簿の更新に似ていて……
「NFTを誰かに渡すというのは、ブロックチェーン上のインデックスデータとして記録されている所有者情報が書き換わるだけなのです。」
 そしてNFTの4つの特徴は……
1)識別可能性:固有のもの
2)自己主張性:NFT所有者の意図に反して操作・削除できない
3)相互運用性:同一ブロックチェーンネットワークを利用するサービス間で横断的利用可
4)プログラマビリティ:スマートコントラクトによる手続き自動化が可能(デジタル完結で自動化できる)
 ……などなど、Part1ではNFTの概要について解説してもらえます(もちろん本書内では、もっとずっと詳しい説明があります)。
 また「Part. 2 NFTを支えるブロックチェーン」では、NFTの基幹をなすブロックチェーンに関して解説してくれます。
 例えば、ブロックチェーンの主なユースケースは次の通りだそうです。
1)価値や資産のデジタル化
  暗号資産取引、CBDC(中央銀行デジタル通過)、デジタル証券、ステーブルコイン、IPのNFT化
2)権利証明や各種手続きの効率化
  土地登記、電子政府、デジタルID、電子カルテ、遺言
3)コミュニケーションと取引の一体化・円滑化
  シェアリング、オークション活用、C2Cサービス、ゲーミフィケーション
4)サプライチェーンなど各種事業基盤の透明化・効率化
  小売、物流、真贋証明、フェアトレード
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 さらに「Part. 4 NFTに触れてみよう!」では、NFTの購入や、NFT出品に関する解説などがありました。
 ちなみに「NFT購入までの流れ」の概要は……
1)暗号資産の調達
 (暗号資産取引の口座開設→Ethereumなど暗号資産を購入)
2)ウォレットの開設
 (MetamaskなどウォレットをDL→セキュリティなど初期設定→取引所からウォレットへ暗号資産を送金)
3)NFTの購入
 (マーケットプレイスへアクセス→マーケットプレイスにウォレットを連携→欲しいNFTを選ぶ→購入に必要な暗号資産かどうかを再確認→購入金額を入力し決済完了!)
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 そして「NFT出品の大まかな流れ」の概要は……
1)事前準備
 (手数料支払用の暗号資産を購入→ウォレットを開設し送金)
2)コレクションの設定
 (アカウントの設定→作品群をまとめるコレクションを作成)
3)作品の出品登録
 (コレクションに作品を追加→作品の詳細情報を設定→作品の取引に関わる基本条件を設定)
4)作品の販売手続き
 (作品の販売に必要な情報を入力→マーケットプレイスに作品を出品))
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 今後、デジタル取引でよく使われることになる可能性が高いNFTについて、分かりやすく総合的に解説してくれる入門書で、とても参考になりました。みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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