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第1部 本
ビジネス・仕事力向上
直観を磨く 深く考える七つの技法(田坂広志)
『直観を磨く 深く考える七つの技法 (講談社現代新書)』2020/2/13
田坂 広志 (著)
(感想)
物事を論理的に考え、考え、考え抜いていくとき、突如、直観が閃くということがしばしば起こる……どうすれば「深く考える」ことができるのか、直観力が身につけられるのか、について語ってくれる本です。
この『直観を磨く 深く考える七つの技法』は、次の通りです。
・問題の「循環構造」を俯瞰しながら考える
・問題の「矛盾」を解決しようとしないで考える
・橋のデザインを考えるのではなく、河の渡り方を考える
・専門知識で考えるのではなく、専門知識を横断して考える
・本で読んだ知識ではなく、体験から掴んだ智恵で考える
・自分の中に複数の人格を育て、人格を切り替えながら考える
・心の奥の「賢明なもう一人の自分」と対話しながら考える
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さて「深く考える思考」というと、「論理的思考」を思い浮かべるかもしれませんが、実は多くの難しい問題は、「循環構造(悪循環)」になっているので、論理的思考だけでは、なかなか解決に結びつかないそうです。うーん、確かに……。
そして「直観を磨く」のに役に立つ技法の一つが、「心の奥の「賢明なもう一人の自分」と対話しながら考える」ことで、この思考法は続く第2部で、「賢明なもう一人の自分」と対話する次の「七つの技法」として示されます。
・まず、一度、自分の考えを「文章」に書き出してみる
・心の奥の「賢明なもう一人の自分」に「問い」を投げかける
・徹底的に考え抜いた後、一度、その「問い」を忘れる
・意図的に「賢明なもう一人の自分」を追い詰める
・ときに「賢明なもう一人の自分」と禅問答をする
・一つの「格言」を、一冊の「本」のように読む
・思索的なエッセイを「視点の転換」に注目して読む
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思わず笑ってしまったのが、「ゼロ・ポイント・フィールド」の話。「ゼロ・ポイント・フィールド」仮説とは、「この宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」という場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事の情報が(波動情報として)記録されているという仮説」で、次のようにも書いてありました。
「もし、我々の脳や心が、この「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がることができるならば、我々は、その「無限の情報」に繋がることができるのである。」
「(前略)「量子脳理論」では、我々の脳や心の中で起こっている情報プロセスが、量子的プロセスであるとの仮説が論じられている。」
……最初にこれを見た時には、「おいおい……(苦笑)」とトンデモ話のように感じてしまったのですが、読んでいくうちに、だんだんと……うーん、こういうのって、「ない」とは言い切れないかもな、と感じるように……(苦笑……単純)。
というのも、私自身、困難な問題のことをずーーと考え続けているうちに、ある時ふいに、すごい妙案がどこからか降ってくるという経験をしたことがあるからです。ずーーっと考えていた時には、思いつきもしなかった解決法で、ハッとさせられると同時に、心の中のもやもやが一気に晴れて「これだ!」と確信が生まれました。すごく不思議な感覚でした。
この本では、「天才」にはそういうことが起こると書いてありましたが、たぶん天才でなくても悩みに悩んで考え尽くす状態でいると、こういうことが起こるのかもしれません。
それからも何回かこういう幸運な経験をするうちに、だんだんと困難な問題は、もやもや考え続けて閃きを待つ、という姿勢がなんとなく育ってきてしまいました。……が、なかなかうまく「降りて」いただけないこともあり、そういう時は、しょうがないので、困難な問題に関わる情報をとにかく書いて、まとめてみることを始めました(本書でも、「まず、一度、自分の考えを「文章」に書き出してみる」と書いてあります)。すると……文章を整理していくうちに、不足している情報に気づき、さらに調査して、まとめたり整理し直したりしていくと……だんだん問題解決に近づいていけるようになったのです。(うまくいくと、途中で「閃きが降りて」くれます。)
……ということで、本書で語られている『直観を磨く 深く考える七つの技法』は、私自身の実感でも、納得できるものだと感じました。
さらに「第3部「賢明なもう一人の自分」が現れる「七つの身体的技法」」では、「呼吸を整え、深い呼吸を行う」、「音楽の不思議な力を活用する」、「群衆の中の孤独に身を置く」、「自然の浄化力の中に身を浸す」、「思索のためだけに散策をする」、「瞑想が自然に起こるのを待つ」、「全てを託するという心境で祈る」なども説明されています。
『直観を磨く 深く考える七つの技法』を分かりやすく、詳しく教えてくれる本でした。私自身は、意外にも、すでに実行済みの技法が多くて、へー、そういうことだったんだ、いい方法だったんだなー……と再確認させられた感じでしたが……それだけに実際に役に立つ技法だと思います。「ゼロ・ポイント・フィールド」だろうが、自分の中の潜在能力だろうが、問題解決に役立つなら、なんでもOK(笑)。
「論理思考」だけでなく「直観思考」も磨きたいと考えている方はもちろん、すべての方に読んで欲しい本だと思います☆
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