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第1部 本

絵本づくり

科学絵本の世界100(別冊太陽編集部)

『科学絵本の世界100: 学びをもっと楽しくする (286) (別冊太陽 日本のこころ 286)』2021/2/17
別冊太陽編集部 (編集)


(感想)
 数、時間、コンピューター、人体、動物、植物、天体、自然、社会のしくみ……子どもたちが知りたい「なぜ?」「ふしぎ!」に応える「科学絵本」を厳選して100冊紹介してくれる本です。
 最初の絵本は、『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』。本川達夫さんの面白い生物学の本『ゾウの時間とネズミの時間』を絵本化したものです。絵本の方は読んでいませんが、『ゾウの時間とネズミの時間』はすごく興味深い本(ネズミの時間はセカセカ、ゾウの時間はノンビリなのに、生きている間に打つ心臓の回数はどちらも15億回!)だったので、きっと絵本も面白いと思います。
 そして安野光雅さんの『10人のゆかいなひっこし』。窓がくり抜かれているという、ちょっとした仕掛けもある素敵な絵本です。安野光雅さんは、この他にも楽しい数学絵本をたくさん描いていて、どれもお勧めです☆ 安野光雅さんの絵本では、「常識にも誤りがある」ことを教えてくれる名作絵本『天動説の絵本』も紹介されています。

 さらに、めくり仕掛けのある『なるほどわかったコンピュータとプログラミング』。これはコンピュータがあまりよく分からない大人の方にとっても、勉強になる絵本です。お子さんと一緒に読んでみてください。
 そして、かこさとしさんの『よわいかみ つよいかたち』。紙を使った実験から話が始まるのですが、こういう「自分でもやってみることができる」科学絵本は、とてもいいですね! 那須正幹さんの『ぼくらの地図旅行』という絵本は、「ぼく」の家から灯台へ地図を持って徒歩旅行をする話ですが、この絵本を読んだら、「ぼく」と同じように、自分の家から地図を持って、どこかへ行ってみたくなるのではないでしょうか。
 さて、この本は「科学絵本」を紹介してくれる本なのですが、科学以外の本も混じっています。例えば、かこさとしさんの『こどものとうひょう』。これは民主主義や投票など、社会的な仕組みを学ぶことが出来る本です。
 また、ヨシタケシンスケさんの『ぼくのニセモノをつくるには』は、怠けたい「ぼく」が、ぼくのニセモノのお手伝いロボットをつくるために、自分のことを説明しようと、いろいろ考える……というユーモアたっぷりの絵本で、大人も子供も大笑いできる凄い絵本です。ヨシタケシンスケさんは、この他にもたくさんのベストセラー絵本を描いていますが、どれもパワフルな面白さに満ちていて……お勧めです☆
「科学絵本」らしい本に再び戻ると、進化をテーマにした『35億年のスーパー絵巻』や『いのちのひろがり』は、私自身も昔、読んだことのある進化をテーマにした漫画の本を思い出させてくれました。中学か高校の頃、先生から夏休みに読むべき本として勧められた漫画の本だったのですが、古代の生き物を漫画という形でビジュアルに見られることが面白くて、何度も読んでしまい、何億年もの進化の歴史を楽しく学ぶことが出来ました。「科学絵本」や「科学漫画」には、文章だけの本にはないスーパー・パワーが確かにありますね!
 この他にも、ものの構造を想像させる『中を そうぞうしてみよ(佐藤雅彦)』、地面の上と下を描いた『じめんのうえとじめんのした(アーマE・ウェバー)』、鼻や耳、尻尾を大きく描いた『こんな しっぽで なにするの(S・ジェンキンズ)』、東京スカイツリー建築現場から職業紹介する『しごとば 東京スカイツリー(鈴木のりたけ)』など、興味深い本がいっぱい。
 楽しく読んでいるうちに、科学が、新しいことを学ぶことが、どんどん好きになっていく……そんな素晴らしい名作科学絵本100冊を知ることが出来る本です。ぜひ眺めてみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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