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第1部 本
ビジネス・経営
新しい顧客のつくりかた(山脇秀樹)
『新しい顧客のつくりかた: 見えない消費者をあなたのお客さまに変える戦略』2021/5/14
山脇 秀樹 (著)
(感想)
これまで思いもよらなかった顧客と出会いたい人、これから新しいアイデアで起業しようと考えている人、新しい事業・市場をつくりたいと考えている人に、「新しい顧客のつくりかた」を教えてくれる本です。
そのエッセンスは、次の文章に凝縮されています。
「顧客の希望・欲求を知るには、彼らを観察し、理解することが何よりも大切、そして、年齢、階層、職業、人種等による従来の顧客の特性を見る軸を、希望と欲求に基づく新しい軸に変え、「見えざる顧客」と「見えていない顧客」を発見しなくてはならない。」
要するに「見えていない顧客」を発見するには、平均値を見ているだけではダメなのだとか。
「調査や統計の平均値や中央値だけを見ていたら、特徴のある顧客は「見えない顧客」となってしまいます。新しい機会、そして新しい顧客、新しい市場を見出すヒントを手放すことになるわけです。」
そして次のように「極端なユーザー」に注目するのも、新しい顧客の発見のヒントにつながるそうです。
「市場を代表する平均的なユーザーではなく、市場で極端な行動をとるユーザーを「極端なユーザー」と呼びます。デザイン思考では、この「極端なユーザー」を統計上の外れ値、アウトライアーとして、データから取り除くのではなくて、むしろ、彼らの行動に注目します。そして、彼らがなぜそのような行動をとるのだろうか、という疑問を投げかけます。」
とにかく「新しい顧客」をつくるためには、特定の顧客を「観察する」「インタビューする」ことが大切なようです。次のように書いてありました。
「重要なのは「一体誰が顧客なのだろう?」「彼らのニーズはなんなのだろう?」という根本的な問いです。この問いへの答えは、潜在的な顧客を観察し、理解することから、はじめて出てきます。すなわち、デザイン思考云々以前に、好奇心をもって消費者・顧客を観察するのがとても重要なのです。」
デザイン思考と競争戦略をもとに、新しい市場と顧客を発見する方法を教えてくれる本でした。海外に進出して新しい市場や顧客を獲得するための心構えについての教えもあります。とにかく、どんな市場でも、「現実の顧客をじっくり観察する」ことが大事なようでした。
新しい市場と顧客を開拓したいと考えている方は、一度読んでみてください。
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