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第1部 本

天文・宇宙・時空

連星からみた宇宙(鳴沢真也)

『連星からみた宇宙 超新星からブラックホール、重力波まで (ブルーバックス)』2020/12/17
鳴沢 真也 (著)


(感想)
 宇宙における人類の大発見――超新星爆発、ブラックホール、ダークエネルギー、重力波などは、すべて連星からもたらされた……連星のことを詳しく語ってくれる本で、内容は次の通りです。
第1章 あれも連星、これも連星
第2章 連星はどのようにしてできたのか
第3章 なぜ連星だとわかるのか
第4章 連星が教える「星のプロフィール」
第5章 「新しい星」は連星が生む幻か
第6章 ブラックホールは連星が「発見」した
第7章 連星が暗示する「謎のエネルギー」
第8章 連星が解いた「天才科学者最後の宿題」
第9章 連星のユニークな素顔
第10章 連星も惑星を持つのか
第11章 連星は元素の合成工場だった
第12章 もしも連星がなかったら
   *
 連星とは、2つ、あるいはそれ以上の星がお互いに回りあっている星(両方とも恒星)のことで、なんと夜空に輝く星の半分は、「連星」なのだそうです。
 3つ以上の連星(3重連星)もあるそうで、北極星が3重連星。また、みなみじゅうじ座アルファ星は、なんと5重連星なのだとか!
 私たちの太陽には連星はありませんが、もしかしたら兄弟星がいたのかもしれません。その候補の一つが、ヘルクレス座の「HD 162826」。太陽から110光年先にあるこの7等星は、年齢、質量、半径、表面温度、そして化学組成が太陽とほぼ同じなのだとか。
 この本の中で、ちょっと難しかったけど、とても勉強になったのが「第4章 連星が教える「星のプロフィール」。星が連星になっていて公転運動している場合は、ケプラーの第3法則の方程式(+万有引力の法則)で質量が分かるのだそうです。そして星の質量から、星の「寿命」も分かるのだとか。
 また、ブラックホールの存在を教えてくれたのも「連星」だそうです。本書には次のように書いてありました。
「ブラックホールは光も何も出さない天体です。もしブラックホールが「たった一人」で宇宙に存在していたら、私たちは永遠にブラックホールの存在を知ることがなかったかもしれません。しかし、ブラックホールが他の星と近接連星になっていると、ブラックホールを取り巻く星周円盤からX線が放射されるので、見つけることができたのです。」
 ……星の質量や寿命、新星やブラックホールなど、「連星」は天文学の進歩に多大な貢献をしてきたんですね☆
「連星」を軸に、天文学の基礎から最新情報まで分かりやすく解説してくれる本でした。天文に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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