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第1部 本
作文技術
SF映画術(キャメロン)
『SF映画術 ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座』2020/9/30
ジェームズ・キャメロン (著), & 7 その他
(感想)
『アバター』の続編が待たれるジェームズ・キャメロン監督が、ハリウッドで活躍する偉大な巨匠たちを招いてSF映画談義をする本です。巻末にはアーノルド・シュワルツェネッガーさんとの対談も特別収録されています。
キャメロンさんと対談しているのは、次の6人です。
LESSON1 エンターテインメントとしてのサイエンス・フィクションを目指す
ジェームズ・キャメロン(インタビュアー:ランドル・フレイクス)
LESSON2 社会の写し鏡として生き続ける地球外生命体の歴史
スティーヴン・スピルバーグ(インタビュアー:ジェームズ・キャメロン)
LESSON3 夜空を見上げ、星間旅行を夢見てきた私たち
ジョージ・ルーカス(インタビュアー:ジェームズ・キャメロン)
LESSON4 時空を超えて
クリストファー・ノーラン(インタビュアー:ジェームズ・キャメロン)
LESSON5 美しきモンスターたち
ギレルモ・デル・トロ(インタビュアー:ジェームズ・キャメロン)
LESSON6 混沌の預言者たち
リドリー・スコット(インタビュアー:ジェームズ・キャメロン)
まさしくSF映画の巨匠ばかり。これらのインタビューの前には、そのSFジャンルの概要的解説と、SF映画のポスターなどが紹介される記事もあります。
この本のタイトル『SF映画術 ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座』には、「映画術」「創作講座」の文字が入っていますが、創作のノウハウを教えてくれる本というよりは、彼らがSFをどうとらえていて、どう映画を作ってきたかを語り合っているSF談義という性格が強いと思います。
印象に残った言葉を、以下に抜粋紹介させていただきます。
「書き手に知識がなければ、良いSFストーリーを生み出すのも、良い犯罪ドラマや法廷ものを書くのも同じくらい難しいはずだ。そして科学を理解するのに、科学者である必要はない。科学雑誌「サイテンティフィック・アメリカン」を購読できる金銭的余裕があれば、アマチュアでも、十分博識になれる。(ジェームズ・キャメロン)」
「子供だったときに脳裏に焼きついたものは全て、消えてなくならずに残っているものだ。フィルムメーカーとして最も重要なのは、少なくとも、畏怖と驚嘆の物語の中で、子供の自分でいられるってことだと思う。言い方を変えれば、子供の心を忘れて、見る物全てに皮肉な反応をするような大人の自分を寄せつけないようにするってこと。子供と大人の心の対決だ。(スティーヴン・スピルバーグ)」
「どんなアイデアも、自分の頭の中でふっと湧き出るのではない。たとえオリジナルのアイデアだったとしても、かつて目にしたことがある何かの積み重ねから生まれるものだ。見たものの記憶を貯蔵しているだけに過ぎない。で、それを独自のもののなかに落とし込むとき、いいところだけを全部利用する。自分のアイデアと過去に見たものの記憶が融合すると、化学反応のようなことが起こる。想像もできなかったことがね。(ジョージ・ルーカス)」
「僕が『インターステラー』を創ることになったとき、様々な疑問に向き合うことになりました。どうやってこの3次元を超えた次元――人々の理解を超越した空間に行くのか? どうやってブラックホールの中に飛び込むのか? そこで1968年の『2001年宇宙の旅』を観直したところ、気づいたんです。今の人間が誰もできないけれど、キューブリックができていたのは、「省略」だったと。ミニチュアワークだろうが、視覚効果だろうが、単に当時実現不可能だったことだろうが、あの手この手で見せられるものでも敢えて見せないという選択をしていたんだと思いました。(クリストファー・ノーラン)」
「『インセプション』では、複雑なルール設定の世界で物語が展開しつつも、世界観は現実と大きく乖離していません。つまり、非現実と現実の巧みな組み合わせが実現できたんです。特にSFの分野では、それが必要です。(クリストファー・ノーラン)」
「まさに純粋なホラーだと言える瞬間だ。いるべきものがいない、あるいは、いるべきでないものがいる……それが、ホラーの本質だ。ただそれだけ。ホラーの他のどんな基準も、そのふたつに分けられる。(ギレルモ・デル・トロ)」
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偉大な巨匠たちのSF映画談義を読むことが出来る、SF映画好きの方にはお宝になるような本だと思います。ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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