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第1部 本
ビジネス・経営
20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑(杉浦泰)
『20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑』2020/8/20
杉浦 泰 (著)
(感想)
サイバーエージェント・カルビー・ウェザーニューズ・無印良品・Apple・日本マクドナルド・アイリスオーヤマ・ユニクロ……日米20社の危機からの突破事例から見えてくる生き抜くための「知恵」と「戦略」を教えてくれる本です。
20社の危機の突破方法の概略は、「目次」で分かるようになっています。だから自分の会社と似ている危機的状況からV字回復を果たした事例を、探しやすいと思います。20社の事例は次の通りです。
Part1 「戦略ミス」「脆弱体制」「機能不全」による危機の乗り越え方
・IBM:「ものづくりの会社」から「サービスの会社」に生まれ変わって危機突破
・サイバーエージェント:急成長によって生じた「矛盾」と「人材流出」を乗り越えて危機突破
・良品計画:成功体験に縛られた組織文化を一新して危機突破
・カルビー:徹底した数値経営で危機突破
・オムロン:業績好調の陰で忍び寄る下克上の波を耐え抜いて危機突破
Part2 「災害」「トラブル」「不可抗力」による危機の乗り越え方
・ユニバーサル・ジャパン:「ニーズ軽視の経営」と大災害を、財務と執念で危機突破
・日本マクドナルド:地に落ちた信用に、「原点回帰」で危機突破
・ウェザーニュース:不可抗力の危機に当事者意識を持って挑んで危機突破
・伊勢丹:行動と価値観の変化を正しく捉え、リスクをとって危機突破
・森ビル:愚直なコミュニケーションを貫いて危機突破
Part3 「市場崩壊」「顧客消失」「時代錯誤」による危機の乗り越え方
・ファーストリテイリンク:危機があったから今がある? 田舎の跡継ぎ息子が起こした危機突破
・ゼネラル・エレクトリック:イノベーションを追求して危機突破、しかし……
・ノーリツ鋼機:市場環境の激変に、事業を総入れ替えして危機突破
・パルコ:「誰に何を売るのか?」を考え抜いて危機突破
・東宝:前途多難な本業に、安定の副業を組み合わせて危機突破
Part4 「ライバル」「競合他社」「業界ルール」による危機の乗り越え方
・Apple:周囲からの厳しい評価に因縁のライバルの助けを借りて危機突破
・Adobe:Appleに2度も目をつけられるが、水面下で強みを伸ばして危機突破
・シスメックス:価格圧力に苦しむも顧客価値を再定義して危機突破
・アイリスオーヤマ:価格圧力と不況に直面し、「業界の常識」を書き換えて危機突破
・P&G:15年越しの黒字化を実現して危機突破
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あの有名なユニクロ(ファーストリテイリンク)は、「石炭の街」として栄華を誇っていた山口県宇部市が、原油輸入が始まったことで産業構造が大きく変化し、商店街が衰退していくことに危機感を覚えた柳井氏(商店街の紳士服店の跡継ぎ息子)が、グローバル化という潮流とSPA(製造から小売まで行う専門アパレル)というビジネスモデルに目をつけて、「ユニクロ」を開業したことで始まったそうです。「市場崩壊」という深刻な危機的状況の中で、逆に「世界を相手に」ビジネスを始めるなんて……その胆力に脱帽してしまいます。どんな危機的な状況でも、負けずに頑張る人がいるんですね……。
この他にも、知恵を絞ってお金をかけずに財務体質を改善し、その後、巨大投資を行って業績をV字回復させたユニバーサル・ジャパンなど、賢い「危機の乗り越え方」をいろいろ知ることが出来ました。
激変する社会の中、どんな会社でも、今後さまざまな危機に襲われることが予想されます。それにどう対応すればいいのか考える上で、参考になる「危機の乗り越え方」図鑑だと思います。ぜひ一度、読んでみてください。
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