ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

その他の海外の作家

不思議の国のアリス 型ぬきワンダーブック(ウッド)

『不思議の国のアリス 型ぬきワンダーブック』2019/10/8
セリーナ・ウッド (著), ルイス・キャロル (著), & 3 その他


(感想)
『不思議の国のアリス』に出てくる個性豊かなキャラクターたちを、ひとつずつ型ぬきしながら仕上げるワンダーブックです☆
 全ページの挿絵イラストに切り目(型抜き加工)が入れてあり、余分なところを型抜きしながら切り取ると、登場人物や風景が生き生きと浮かび上がるオブジェのような本になるという楽しい絵本なのです。
 各ページの上から三分の二程度が挿絵イラスト、下は童話(文章)になっています(イラストは文章にまではみ出す大きさのものもあります)。この上の部分のイラストは、背景部分などが切り取れるように切り目が入っているので、それを切り取ると、挿絵の人物部分など主要なモチーフだけが残ってモチーフがいっそう引き立つ……という絵本なのです。
 このイラストは、厚紙の両面に印刷(鏡に映ったように左右逆に印刷)されています。だから切りぬくと、表紙のアリスちゃんのように、空中にアリスちゃんだけが浮かび上がる感じになります。ただしページを返して裏面を見ても、これと同じイラストが左右逆になっているだけで、アリスちゃんの背中側が見えるわけではありません(笑)。それでも全然違和感はないので、なにも問題はないと思います。
 そして下の童話の方は、『不思議の国のアリス』の長い物語です。漢字に「ふりがな」がないので、この絵本はおそらく大人向きなのでしょう。久しぶりにこの物語を読み直しましたが……ルイス・キャロルさんはやっぱり天才ですね☆ 発想がぶっ飛んでいる感じがする箇所がいくつもあって、とても楽しめました(笑)。

 そして、何といってもこの絵本の素晴らしいところは、「ジョン・テニエルとデイブ・シェパードによるイラストを存分に堪能できる美しい本」だということ☆
 絵本の挿絵としては、大人っぽすぎる感じがするテニエルさんの「アリス」。すごく素敵で、子どもの頃から憧れを感じていましたが、この絵本は、そのテニエルさんたちの描くアリスなどのキャラクターを一つひとつ型抜きして、「立ち上げて」いけるような気持ちになれるので、すごくわくわくさせられてしまいます。
 型抜きするたびに、これを絵本で見た時、アニメで見た時、小説で読んだ時の、きゅんとするような美しくて幻想的な世界への憧れを懐かしく思い出して、すごく癒されました……。
 この本はかなり硬い表紙、丈夫な用紙で出来ているので、本を立ち上げた状態で飾ることも出来ます。でも絵本の「360°ブックス」シリーズとは違って、ぐるっと開く仕様にはなっていないので、中に型抜きされた挿絵が立ち並んでいるのが見える「立てられた絵本」、という感じのオブジェになります。開ける角度も180°以内でしょう。
 ちょっと珍しい感じの、自分で作るしかけ絵本です。
『不思議の国のアリス』のファンには、お宝本になるような感じの、とても素敵な絵本です。なんといっても、あの挿絵を一つ一つ立ち上げていけるのが最高です☆
 あまり小さなお子さん向きではありませんが、小学校高学年以上の人への贈り物や、入院中の方への贈り物として最適だと思います。お勧めです☆
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 これと同じような仕組みの本には、他にも『My Picture Book 世界のねこ』、『My Picture Book 世界のいぬ』、『My Picture Book 世界の鳥』、『My Picture Book 世界の花』などがあります。

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