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第1部 本

天文・宇宙・時空

彗星探検(縣秀彦)

『彗星探検』2013/7/22
縣 秀彦 (著)


(感想)
 ふんだんな写真やイラストで、過去から現在までの彗星を見ることが出来る上に、彗星に関する基礎知識も教えてもらえる本です☆
「彗星」って、実は2つの尾があるそうです。1つはイオンの尾(プラズマの尾)で、もう一つはダストの尾(塵の尾)。イオンの尾は、彗星の核から放出されたガスが太陽のエネルギーでプラズマ化したもの、ダストの尾は、彗星の内部にある塵が核から離れて白く見えているもの、なのだそうです。へえー……。
 また「小惑星」や「隕石」は基本的に「岩石のかたまり」であるのに対し、「彗星」は基本的に「氷のかたまり」なのだとか。そして「流星」は、彗星からまき散らされたダストが地球大気に突入して大気を光らせる現象を言うのだそうです。
 という感じの短い「彗星豆知識(6ページ)」のあとは、怒涛の「彗星イラスト&写真」のオンパレード。
 世界最古の彗星図と言われる「中国の前漢時代の彗星図(紀元前100年頃)」には、まさに2本の尾がある彗星がたくさん描かれています。ハレー彗星の絵やタペストリー(684年、1066年、1301年、1456年)などなど、かなり昔の彗星のイラストもあって、彗星なんて一瞬しか見えないような気がするのに、かなり詳しく描いてあるなーと思ったら、「1663年の大彗星」のイラストの下の解説に、「1月2日から12日までの10日間見られた」と書いてあって、そんなに長い時間見えることがあるんですね! 驚きました。1882年の大彗星などは、明治の錦絵にも描かれているそうです。
 そして「写真」が発明されてからは、彗星の写真が続々出てきます。1882年に南アフリカ天文台で撮影されたという「1882年の大彗星」は、意外にもかなり鮮明なので驚きです。
 これ以降は、貴重な彗星の美しい写真がどんどん出てきて大興奮(笑)。2010年以降の写真はすごく鮮明なので、彗星の箒の先に、核から剥がれた破片で出来た子供の彗星まで写っています。
 また、1994年のシューメーカー・レビー彗星。木星に衝突したことで有名ですが、その衝突した跡の黒い痕がついた木星の写真も見応えがありました。
 その他にも、地上からではなく「彗星探査機(米国NASA)」が撮影したヴィルト第2彗星の写真などもあって、これは、まさに「汚れた雪玉」そのもの(笑)。こんな風に、彗星はどんどん解明が進んでいるんですね。
 美しいだけでなく貴重な彗星写真が満載で、本当に見応えがありました。ぜひ眺めてみてください☆
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 縣さんの他の本『ARで手にとるようにわかる 3D宇宙大図鑑』に関する記事もごらんください。
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 縣さんは、他にも『日本の星空ツーリズム 見かた・行きかた・楽しみかた』、『星空の見方がわかる本: 星座の探し方から星の神話まで』などの本を出しています。
 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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