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第1部 本
生物・進化
ならべてくらべる 絶滅と進化の動物史(川崎悟司)
『ならべてくらべる 絶滅と進化の動物史』2019/4/3
川崎 悟司 (著), 木村 由莉 (監修)
(感想)
哺乳類から鳥類、爬虫類、両生類、魚類まで、脊椎動物の進化の歴史を総合的に教えてくれる図鑑です。40億年前に誕生したひとつの生命から枝分かれして進化した系統図全体から始まって、その枝分かれ先(類)ごとの進化を、フルカラーのイラスト(図鑑)で見ることが出来ます。
感動的だったのは、冒頭の「地球の陸地の変化とその時代の動物たち」。なんと、古生代(カンブリア紀、オルドビス・シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀)、中生代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)、新生代(古第三紀、新第三紀、第四紀)の9枚の地球の全体地図を、イラストで見ることが出来るのです☆ これらの地図には、陸地とともに、その時代に生息していた生物がイラストで描かれていて、何億年か前には、地球の陸海はこんな形をしていて、こんな生物が生きていたんだ……というダイナミックな変遷を、一望することが出来ます。
大昔にゴンドワナ大陸やローラシア大陸があったということは知っていましたが、こんな風に変遷してきたことを眺められただけでも、すごく価値があると感じました。例えば、「アメリカ大陸が昔、アフリカ大陸と陸続きだった」という意味は、ほぼ「南アメリカ大陸はアフリカ大陸と陸続きだった」という意味で、北アメリカの方はヨーロッパと陸続きだったようです。また、中国は昔から大きな大陸(の一部)だったのだろうと思っていましたが、実は孤立した大きな島(小さい大陸?)状態の時代もあったようです。……何度も眺め直したい、素晴らしい地図でした。
そして、いよいよ本題の「動物の進化と系統」。
系統図で見ると、「キリンとクジラは親戚です」のような意外な事実があるそうです。クジラの五千万年前の祖先は「偶蹄類と同じ陸上を歩く動物」で、親戚には、キリンやラクダ、そしてカバなどが含まれるとか。DNA的には近くても、草原・砂漠、水辺・海中という棲息する環境の違いで、こんなにも大きく変わっていくんですね……。
また、「4章 鳥類と恐竜と爬虫類のおはなし」も、すごく興味深かったです。恐竜も鳥類も、系統樹的には、爬虫類から分かれてきたようで、「鳥類」は「恐竜のDNAを引き継いでいる」生き物なのです! ……ならば、地球環境の変化によっては、また巨大恐竜に戻る可能性もある、ということなのでしょうか? なんだか、わくわくしてしまいます☆ (いや、怖いのか……?)
面白いと感じたのは、「ハトの昔と今」。『不思議の国のアリス』に出てきた面白い顔の鳥、ドードーは、なんとハトの祖先のようです。そうだったんだ……でも、のんびりした性格が災いして(?)、人間に発見されてから180年経たずに絶滅してしまったのだとか……(涙)。
その他にも、長い足のあるヘスペロスクス(ワニの仲間)とか、らせん状に渦巻いた歯列をもつヘリコプリオン(サメの仲間)とか、不思議で面白いビジュアルを持つ生き物を、いろいろ見ることが出来ます。
また「博物館に会いに行こう」というコラムでは、博物館に展示してある化石や剥製・骨格見本などの実物写真も見ることが出来て、これも見ごたえがありました。
生物が生まれてからの、激動の地球史&生物進化の歴史をたどることが出来る本でした。『絶滅と進化の動物史』というタイトルだったので、生き残った生物はなぜ生き残り、絶滅した生物はなぜ絶滅してしまったのかがメインテーマなのかと考えていたのですが……これに関しては、要するに「環境に適応できた生物が生き残った」ということなのかな? と感じる程度だったように思います(私の読み込みが浅いせいかもせいれませんが……)。
それでも、「地球の陸海の変遷」や「生物の系統樹別の変遷」を、これほどイラストでしっかり一望できる本は他にあまりないので、とても価値があると思います。
進化に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。お勧めです☆
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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