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第1部 本
生物・進化
世界でいちばん素敵な進化の教室(長谷川政美)
『世界でいちばん素敵な進化の教室』2019/2/19
長谷川政美 (監修)
(感想)
生命の誕生を出発点として、私たちヒトが地球上に広く繁栄している現在までの38億年という進化の歩みを、フルカラーの美しい写真とイラストで辿ることが出来る本です。
進化の歴史上、とても重要な「シアノバクテリア」の写真や、それが堆積してできた「ストロマトライト」の化石の写真、さらに最初の真核生物と言われる「グリパニア・スピラリス」の化石写真など、貴重な珍しい写真がいっぱい☆ 「グリパニア・スピラリス」なんて、化石というよりも古代人のいたずら書きの線画みたいです(笑)。もっともグリパニア・スピラリスの化石は21億年前の地層から見つかっているので、初めて絵を描いた人類と言われるネアンデルタール人(40万年前に出現)でも、絶対に描けなかったはずですが……。
この本は、進化に関する美麗写真がすごく豊富で、文章の比重はかなり少な目です。が、全体をQA形式にして、「進化」をとても簡潔に、分かりやすく学ぶことが出来るようになっています。
例えば、「Q:地球上の生き物にとって危機的な出来事はなかったの?」に対する答えは、「A:約22億年前に起こった「全球凍結」は、最大のピンチでした。」のように短い文章で答えがのっていて、その次のページにやや詳しい解説が書いてあります。「全球凍結」の時に、生物はほぼ絶滅してしまったそうですが、凍らない深い海の底で、細々と命をつないだのだとか。そして「全球凍結」が終ったきっかけは、火山活動だったようです。
すごく驚かされたのが、「Q:地球に酸素はむかしからあった?」の答えで、「A:全球凍結のあと、爆発的に酸素濃度が上昇しました。」
これに関連する質問の「Q:なぜ大気中の酸素が急激に増えたの?」に対する答えは、「A:酸素発生型のシアノバクテリアが爆発的に増えたからです。」で、全球凍結後に火山活動が始まったおかげで気温が上昇し、大陸表面の風化で、生物にとって必須元素であるリンが、大陸から海へ大量に供給されたことで、シアノバクテリアが爆発的に増え、酸素が増えたのだとか! そういう流れだったんですか……なるほど。
38億年の間、地球は、気温が激変し大陸も移動するなど、環境を大きく変えていて、生物の大量絶滅も何度もあったようです。私たち生物は、それを生き延びてきて……こんなに増えているんですね! (ちなみに「大量絶滅イベント」の最後は「現在」で、「ヒトが引き起こしている大量絶滅」だそうです……真剣に考えないといけませんね!)
この本は、進化の歴史において重要な生物の化石などを、美しい写真やイラストで見ることが出来るだけでなく、分かりやすい簡潔な文章で進化の歴史をざっと辿ることも出来るという本当に「素敵な進化の教室」だと思います。興味深い記事&写真が満載でした☆
さらに「私たちのこれから」についての予言も書いてありましたので、最後にそれを紹介させていただきます。個人的には「なるほど」と感じましたが、あなたはどう思うでしょうか?
「Q:現生人類はこれからどのように進化するの?」
「A:退化が起こると考えられます(ロボットなどの機械が肉体的な機能の補助手段として使われるようになるので、そうした機械と肉体を合わせた体系として進化するでしょう)」
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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