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第1部 本
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CASE革命 2030年の自動車産業(中西孝樹)
『CASE革命 2030年の自動車産業』2018/11/21
中西 孝樹 (著)
(感想)
自動車アナリストの中西さんが、2030年を見据えたクルマと自動車産業のリアルな将来像と、日本企業勝ち残りのためのソリューションを提示してくれる本です。内容は次の通りです。
序 章 自動車産業を襲う「CASE革命」
第1章 「CASE革命」とは
第2章 破壊者
第3章 クルマの価値とモビリティ構造の変化
第4章 コネクティッド
第5章 自動運転
第6章 シェアリング&サービス
第7章 電動化
第8章 「CASE革命」を支える「ものづくり革新」
第9章 2030年のモビリティ産業の覇者
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「CASE革命」のCASEは、次の4つのキーワードを意味します。
・Connected=ネットワークに常時接続したつながるクルマ
・Autonomous=自動運転
・Shared & Service=シェアリング&サービス
・Electric=電動化
これらが、クルマの価値を根本から変えようとしています。
「CASE」への対応が、自動車メーカーと部品サプライヤー、さらにサービス企業の命運をも握ると予想され、各社は必死の対応に追われています。業界の外からは巨大IT企業が、そして世界最大の自動車市場を有する中国が、市場攻略をうかがっているのです。
「デジタル化されたクルマは、通信技術やクラウド基盤の発展とともに、ネットワークにインターネットで常時接続されるコネクティッドカーとなり、いわゆるIoTの端末となる。2030年までには先進国の新車はすべてコネクティッドカーとなる見通しであり、ネットワークに接続される車両数は10億台に迫ると試算される。」のだとか。
それでも、これらの「変化」は急激には進まないだろうと、中西さんは予想しているようです。
「CASEの4トレンドの分析と議論に基づけば、自動車産業は複雑で長期的な移行期が長く続くだろうということと、POV(個人所有車)とMaaS(モビリティサービス)の2つの特性の違う商品の進化が両立するということだった。」
クルマの価格が高くなり、IoT端末として日常的なアップデートが必要になることを考えると、やはり今後は、クルマの「個人所有」ではなく、「シェアリング」が進むことでしょう。
そして、クルマ単体の内部構造(ハードウェア&ソフトウェア)が激変するだけでなく、それを取り巻く社会環境なども激変していくことが予想されます。自動車産業は、まさに激動期に直面しています。
「自動車産業が直面する課題は、1)開発プロセスの再構築、2)次世代電子プラットフォーム構築、3)伝統的ビジネスの長期的な収益性の確保、の3つにある。」
「ハードウェアの大波とソフトウェアの津波を受け、クルマの構造にはかつてない大規模な変化が起こりそうだ。ドメインを越えて制御できる新しい「電子プラットフォーム」が生まれ、膨大なハードウェアを制御するために、ソフトウェアとソフトウェアを連携させる統合制御が新たな競争領域となるだろう。このグランドデザインを描き、シナリオを整理し、設計図に落とし込み、量産技術を確立し、クルマに最も大切な信頼性を確保できる能力とは、自動車メーカーとメガ・サプライヤーの一角にしか存在しない。」
自動車のような移動・運搬手段は、もはや人間にとって必要不可欠なものになっています。未来のクルマは、私たちにとって、「より使いやすくて」「より安全な」ものであって欲しいと願っています。必要ならば、事故が発生しやすい難しい構造の交差点などには、「自動運転」のための装置を設置するなど、クルマの外からの支援システムを作ってもいいのではないでしょうか。
未来のクルマはどう変わっていくのか、今後も注目していきたいと思います。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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