ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
しかけ絵本(海外の作家)
※日本語の本(翻訳版)もあります
その他の海外の作家
きょうはみんなでクマがりだ(ローゼン)
『和書:きょうはみんなでクマがりだ (大型しかけえほん)』2006/9/1
マイケル ローゼン (著), ヘレン オクセンバリー (イラスト), Michael Rosen (原著)
(感想)
幼い三兄弟とその両親が、愛犬と一緒にクマ狩りに出かける楽しい(?)絵本です。
そもそもなぜ「クマ狩り」に出るのか? そんなに楽しそうでいいのか? そしてそんな軽装(普段着)でいいのか? いろんな「つっこみ所」にあふれていますが……文章の軽快なリズム感やユーモラスな絵に、そんなことはすべて忘れて楽しめます。
「きょうはみんなでクマがりだ。つかまえるのはでかいやつ。そらはすっかりはれてるし、こわくなんかあるもんか! おやぁ! くさはらだ! ながくてびっしりくさだらけ。うえをこえてはいかれない。したをくぐってもいかれない。こまったぞ! とおりぬけるしかないようだ!」
という具合に、テンポのいい文章がどんどん続きますが、もともとこれは子どもたちの遊び歌が元になっているのだそうです。
若い夫婦と幼い子ども(なんと赤ちゃんまで連れて!)が中型の愛犬とともに、元気よくクマ狩りに出かけます。途中でたくさんの難所に遭遇して、それでもみんなで頑張って、どんどん進んでいくのです。(クマ狩りに行くのに、武器はまったく持っていません。女の子もお母さんもワンピース、誰も帽子すらかぶっていないのに、クマのいる森へとずんずん近づいていくのです(笑))。
文章も楽しくて、イラストもユーモラス。歌のような楽しい長い文章が書いてある時にはページに仕掛けはなく、モノクロの家族のイラストが描いてあるだけなので、じっくり文章のリズムを味わえます。
そして家族が試練を乗り越える場面は、カラフルな大きな仕掛け(動かせるものも多いです)で、家族の奮闘っぷりを楽しめます。パステル調の色もとても素敵だし、仲良し家族の能天気っぷりに笑えます。
しかも仕掛けの技法もバラエティに富んでいます。最初の大きな飛び出す仕掛けでは、家族の動きで草がカサカサと音を立てますし、飛び出すしかけにつまみがついていて、色んな動きをするものも多く、透明シートの吹雪のしかけも見応えがあり、最後のオチにも笑えます(汗)。「飛び出す+つまみで動かす」という仕掛けは、仕組みが複雑になるので、あまり他では見られない珍しい仕掛けだと思います。
とても楽しい素敵なしかけ絵本です。読み聞かせ絵本としても使えそうですし、贈り物にしても喜ばれると思います。だんぜん、お勧めです☆ でも幼い子連れの家族でクマ狩りに行くのだけは、絶対にやめましょう。
・1~2ページ目:中表紙(カラーのイラストのみ。しかけなし)
・3~4ページ目:クマがりに出かける家族と犬(モノクロのイラストのみ。しかけなし)
・5~6ページ目:ページを開くと、家族と犬がくさはらをかきわけて進みます(大きな飛び出すしかけ)両側のつまみを引くと、家族と犬が動いて、くさむらをかき分ける音がします(カサカサ)。
・7~8ページ目:大きな浅い川の前でとまどう家族と犬(モノクロのイラストのみ。しかけなし)
・9~10ページ目:ページを開くと、水に半分つかりながら、川を歩き渡っていく家族と犬が大きく飛び出します(つまみを引くと、家族と犬が波をたてて前進します)。お母さん! はしたないですよ(笑)。
・11~12ページ目:泥だらけのぬかるみの前でとまどう家族と犬(モノクロのイラストのみ。しかけなし)
・13~14ページ目:ページを開くと、泥の中をぺたぺた進む家族と犬が飛び出します。(つまみをひくと、動きます。)
・15~16ページ目:大きくて暗い森の前でとまどう家族と犬(モノクロのイラストのみ。しかけなし)
・17~18ページ目:ページを開くと、家族と犬が進んでいく大きな暗い森が大きく飛び出します(つまみを引くと、家族と犬が動いて音がします。木の陰から家族の小さな女の子が顔を出します。)
・19~20ページ目:吹雪の大きな雲の前でとまどう家族と犬(モノクロのイラストのみ。しかけなし)
・21~22ページ目:ページを開くと、家族と犬が進んでいく吹雪の舞う丘が飛び出します(透明シートのしかけ)つまみを引くと、家族と犬が強風に負けずに進んでいきます。
・23~24ページ目:狭くて暗いほら穴の前でとまどう家族と犬(モノクロのイラストのみ。しかけなし)
・25~26ページ目:ページを開けると暗いほら穴の中。左端の大きな岩壁を開くと、大きなクマが飛び出してきます。犬がびっくりして首を振ります。
・27ページ目:洞穴を抜けて、吹雪を抜けて、森を抜けて家族と犬が走ります。クマがそれを追いかけます。(3つのシーンで、それぞれ、つまみを引くと、家族と犬、クマが動きます)
・28ページ目:ぬかるみを抜けて、川を抜けて、くさはらを抜けて、家族と犬が走ります。クマがそれを追いかけます。(3つのシーンで、それぞれ、つまみを引くと、家族と犬、クマが動きます)
・29~30ページ目:家に到着した家族と犬。間一髪でクマが入ってくるのを阻止!(カラーのイラストのみ。しかけなし)
・31~32ページ目:ページを開くと、ベッドにもぐりこんで震えている家族と犬が大きく飛び出します(つまみを引くと、家族と犬が動きます。赤ちゃんだけは、クマのぬいぐるみを抱いて嬉しそうに笑っています)。
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イラストを担当しているオクセンバリーさんの他のしかけ絵本『3びきのかわいいオオカミ』に関する記事もごらんください。
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この物語は、しかけ絵本の他、英語・日本語CD付きの絵本『きょうはみんなでクマがりだ We're Going on a Bear Hunt (英語・日本語CD付き)』や、しかけのない普通の絵本『きょうはみんなでクマがりだ』という形でも出ていますので、購入時には気をつけてください。
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