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第1部 本
自己啓発・コミュニケーション
たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク(浦上大輔)
『たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク』2017/6/23
浦上大輔 (著)
(感想)
人を励ます技術の「PEP TALK(ペップトーク)」を教えてくれる本です。
「PEP」とは「元気づける」という意味の英単語で、「PEP TALK」はスポーツの試合の前などに、緊張している選手たちを励ますときに使う話術です。アメリカのスポーツ界で始まった話術だそうですが、その効果の高さから、現在ではビジネス界でも広く使われているそうです。
この本の冒頭近くに、レークプラシッド冬季オリンピックでのアメリカのアイスホッケー・チームの実話を映画化した『Miracle』の中で、コーチが選手たちに話したPEP TALKが紹介されていました。感動的なだけでなく、「PEP TALK」の好例なので、少し長いですが、以下に紹介します。
「偉大な瞬間は偉大なチャンスから生まれる。
お前たちのチャンスは今夜だ。それをその手でつかみ取ったんだ。
1試合だ。
10試合戦えばソ連が9回勝つだろうが、今日のこの1試合は違う。
今夜は敵と肩を並べとことん喰らいついていく。
そして完全に封じ込めるんだ。必ずできる。
今夜は俺たちが世界で最も偉大なチームだ。お前たちはホッケーをやるために生まれてきた。
今夜お前たちがここに来たのは運命だ。
その時が来たぞ。ソ連の時代は終わった。
もういいだろう。いい加減、聞き飽きた。
どこへ行ってもソ連はすごいという話ばかりが聞かされ続けた。
でも、もう古い。
時代はお前たちのものだ。必ず奪い取ってこい!」
……その結果、ソ連が優勢と思われていたのに、なんとアメリカが金メダルを獲得。この試合は「氷上の奇跡」と呼ばれ、今も語り継がれているそうです。
「PEP TALK」は、次の4つで構成されています。
1)受容(事実の受け入れ)
2)承認(とらえかた変換)
3)行動(してほしい変換)
4)激励(背中のひと押し)
相手が緊張や不安のあまり、落ち込んでいたり元気がなかったりしている時でも、1~4の順番に沿った話し方で励ますことで、本来の力が発揮できる状態になったり、元気になったりするのだそうです。実際に、上記の例でも、「PEP TALK」がうまく使われているのが分かると思います。
そしてPEP TALKには、次の5つのルールがあります。
1)ポジティブな言葉を使う
2)短い言葉を使う
3)わかりやすい言葉を使う
4)相手が一番言ってほしい言葉を使う
5)相手の心に火をつける本気の関わり
*
また、「PEP TALK」は、相手との人間関係が大切なので、普段からこの話術を活用して、相手の感情に寄り添った言葉がけをすることで、相手からの信頼を高めておく必要があるそうです。
この本では、介護の現場でPEP TALKを活用することで多くの患者さんを励ましてきた浦上さんが、実例をまじえて丁寧に説明してくれるので、どんな時に、どのように励ますのか、相手との信頼関係をどのように築いていけばいいのかが、とても分かりやすいと思います。
言葉には力があります。PEP TALKを覚えることで、相手の人生だけでなく、自分自身の人生もより良いものに変えていけるような気がしました。ぜひ読んでみてください。
最後に浦上さんからのメッセージを紹介させていただきます。
「できるかできないかじゃない やるかやらないかが大事です。
今あるものでベストを尽くそう。 Let’s PEP TALK !」
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