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第1部 本
地質・地理・気象・地球環境
プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本(岩谷忠幸)
『史上最強カラー図解 プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本』2011/1/19
岩谷 忠幸 (監修)
(感想)
気象現象のしくみと基礎知識、天気図はどうやって読むのか、異常気象とはどんなものかなどについて、豊富なカラー写真とイラストとともに分かりやすく解説してくれる本です。
巻頭特集「日本で見られるふしぎな自然現象」では、「光芒」や「幻日」、「吊るし雲」、「彩雲」、「樹氷」、「御神渡り」などの美しい写真を見ることが出来て、とても、わくわくさせられました。
そして「第1部 天気図を読み解こう」「第1章 天気図と衛星画像(天気図、風、気象衛星画像、雲)」では、天気図の読み方の基礎知識の解説があり、「第2章 日本の四季」では、日本の気候の春夏秋冬+梅雨の気象状況を学ぶことが出来ます。
ここには、ちょっとした豆知識も紹介されていて、例えばアジサイの色の変化についても知ることが出来ました。アジサイの花の色は、「土壌から吸収されるアルミニウムの度合いによって色が決まるものもある。アジサイはアントシアニンなどの色素を有しており、これが根から吸収したアルミニウムなどと合体して花は青色となるのだ。吸収するアルミニウムの割合が低くなるにつれ、アジサイの色は紫から赤へと変わる。同じ株でもアルミニウムを多く吸収する場所とそうでない場所があると、異なった色の花が咲くことがある。」そうで、「アルミニウムが溶けやすい酸性の土壌の方が、青い花が咲きやすい。」のだとか。アジサイの花の色は酸性・アルカリ性によるもので、色もリトマス試験紙と同じなのかと勘違いしていましたが、実はアルミニウムと関係があったんですね。しかも色はリトマス試験紙とは真逆のことが多いようです(汗)。おバカな勘違いを修正することが出来て良かった。
また観望天気では、「遠くの音がよく聞こえると雨」という天気のことわざについて、「低気圧が近づくと、温かく湿った空気が流れ込むため、地表付近と上空の温度差で音の進行が曲げられ、普段は聞こえない遠くの音が聞こえる。」とありました。へー、そうだったんだ……。
また、「第2部 天気予報ができるまで 気象予報士ってどんな仕事?」「第1章 データ観測と解析 天気予報の基礎となるデータ観測と、その解析」、「第2章 天気予報の発表」などでは、天気予報が実際にはどのように行われているのかを、具体的に知ることが出来ました。
さらに「第3部 地球の気象を知ろう」「第1章 大気現象のしくみ」、「第2章 環境問題と異常気象」では、地球規模での気象に関する知識を概説してもらえて、これもとても参考になりました。
例えば「異常気象の原因と影響」の中の、光化学スモッグの記事では、光化学スモッグが発生した場合、人間は直ちに屋内に入ってうがいや洗顔をした方がいいことは知っていましたが、「洗濯物は慌てて取り込まず、むしろ夕方まで干しておいたほうがよい。光化学オキシダントは、日が傾き気温が下がって紫外線量が減ると分解され、無害の物質に変化するからである。」ことは知りませんでした。光化学スモッグが発生した時は、洗濯物は放っておいたまま、人間だけ急いで家の中に入ればいいんですね。
一通り読むだけで、気象に関して総合的な知識を理解できるだけでなく、豊富な美しいカラー写真を楽しむことも出来るし、生活に役に立つ豆知識も拾えるという、まさに『史上最強カラー図解 プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本』でした(笑)。ぜひ読んでみてください。
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別の作家の本ですが、『気象と天気図がわかる本 しくみ・読み方・書き方 ビジュアル徹底図解』など、気象のことを学べる本は多数あります。
なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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