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第1部 本

描画参考資料

イラストでわかる 日本のお寺と神社(日本の寺社研究会)

『イラストでわかる 日本のお寺と神社 (中経の文庫) 』2017/10/14
日本の寺社研究会 (著)


(感想)
 楽しいイラストで日本の寺社の特徴を分かりやすく教えてくれる本です。写真ではなく、すべてイラストで描かれているので、形が細部まで分かりやすく、描画の参考にもなると思います。
 持ち運びにも便利な文庫サイズですが、内容は充実しています(目次は次の通り)。
第一章 お寺と神社の基礎知識
第二章 観光名所としても大人気 日本を代表するお寺・神社
第三章 一生に一度は訪れたい 世界文化遺産のお寺・神社
第四章 貴重な和の伝統美 必見の国宝があるお寺・神社
第五章 見たこともない絶景が! 秘境と呼ばれるお寺・神社
第六章 浄土庭園に紅葉に奇岩も…… 景勝が自慢のお寺・神社
第七章 たどり着くまでが修行 山中に堂塔が点在するお寺
第八章 興味深い伝説や逸話あり 歴史的価値の高い神社
   *
 意外に便利なのが「第一章 お寺と神社の基礎知識」。「観光目的」でお寺や神社を訪れたことは何度もありますが、実はお寺にも神社にもあまり詳しくはありません(汗)。でも、お寺や神社は「これぞ日本の風景」という感じがするので、外国人の観光客などを案内するのには適した場所でもあります。そんな時、外国人からの質問に対応するための基礎知識として、この文庫本は便利に使えるのではないでしょうか。
「第二章 観光名所としても大人気 日本を代表するお寺・神社」で取り上げられるのは、伊勢神宮、出雲大社、浅草寺、明治神宮、成田山新勝寺など12の寺社。本当に「日本を代表する」感じがする超有名寺社ばかりで、これらが世界遺産でないのが、むしろ意外でしたが……格式が高すぎるせいなのでしょうか?
 そして「第三章 一生に一度は訪れたい 世界文化遺産のお寺・神社」では、延暦寺、法隆寺、厳島神社、中尊寺、清水寺など18の寺社。こちらも超有名寺社ばかりなので、第二章、第三章とも、行ったことのある寺社が多数ありましたが、もちろんどこも荘厳な雰囲気が漂っている素晴らしい場所でした。
 個人的に一番参考になったのは、「第五章 見たこともない絶景が! 秘境と呼ばれるお寺・神社」。この章の二番目で取り上げられている「鵜戸神宮(宮崎)」は、本殿が洞窟にすっぽり入っているという珍しい神社で、本当に「他にない感じ」が漂いまくっています。周囲の風景も、まさしく「紺碧の海、朱の門や橋、緑の南国植物という色鮮やかな絶景が拝めます。」なのでした。お勧めです☆ また、この章の最初に取り上げられている「青島神社(宮崎)」も鵜戸神宮に近いので、この両方を一日で回れると思います。残念ながら私は「青島神社」の方は遠くから眺めただけでしたが、青島も素敵な場所のようなので、機会があったら再訪したくなりました。その他の出羽三山神社、戸隠神社なども一度は行ってみたいと思います。
 そして「第六章 浄土庭園に紅葉に奇岩も…… 景勝が自慢のお寺・神社」。この章には、個人的に、日本で一番「異世界」感が味わえると思っている場所の「伏見稲荷大社」が掲載されていました。ここの「千本鳥居」は本当に凄いです。延々と続く赤い鳥居の中を黙々と歩いていくと、だんだん「現実世界」から断絶していくような気がしてくるほど……大人気の観光スポットなので、大勢の人が同じ鳥居の中を歩いているのですが、もしもこの真っ赤な長い道を「たった一人で」歩いていたら……すごく怖いかもしれないと思わされるほどの異世界感がありました……。もしもまだ行ったことがないならば、ぜひ行って体験してみてください☆
 さて、私は日本各地の神社仏閣を訪れた時に、「お寺の本堂って、そもそもなんだろう?」「神社の鳥居は、なぜあんな形なの?」「ここに祀られている神さまって?」といった疑問を抱いても、なんとなくそのままスルーしてしまいがちなのですが(汗)、それは子どもの頃から周囲にいつも存在していた寺社に慣れ過ぎていて、「あって当たり前」と感じているからのかもしれません。この本によると、「コンビニエンスストアが全国で約五万五千店であるのに対し、神社は約八万一千社、お寺は約七万七千寺と、神社やお寺のほうが圧倒的に多く存在しています。」なのだそうです! そんなに多かったんですか、びっくりしました……。
 日本人として、日本の寺社の特徴や基礎知識ぐらいは知っておきたい、と思っている方は、ぜひ読んでみてください。ここに掲載されている寺社は、どれをとっても、訪問の価値がある素敵な場所ばかりです(ただし所在地などは簡単な記載があるだけなので、アクセスのためのガイドブックとしては情報が不十分だと思いますが……)。お勧めです☆

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