ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
しかけ絵本(海外の作家)
※日本語の本(翻訳版)もあります
その他の海外の作家
星の王子さま ポップアップ絵本・完全翻訳版(サンテグジュペリ)
『星の王子さま ポップアップ絵本・完全翻訳版』2009/10/9
アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ (著), 池澤夏樹 (翻訳)
(感想)
永遠の名作『星の王子さま』のポップアップ(しかけ)絵本です☆
池澤夏樹さんによる美しい現代日本語訳の物語と、サンテグジュペリさん自身の可憐な挿絵が、色鮮やかな仕掛けとして表現されています。すごく凝ったしかけがあるわけではありませんが、物語のイラストにふさわしい動きがあって、とても感心させられました。価格が4760円+税もする高価な本ですが、本文のイラストのほとんどが、立体で表現されているだけでなく、物語に合った動きをするという凝ったしかけになっているので、すでにこの絵本(ポップアップではないもの)を持っている方でも、「あのイラストがこんな風に動くんだ!」と新たな感動を覚えるのではないかと思います。
ただし、しかけの作りはちょっと雑なところがあり、私の購入した本も、最初の仕掛け(星の王子さまが渡り鳥を利用して星を脱出する飛び出す)が何かごちゃっとした塊で飛び出してきて、「?」と思いましたが、鳥を引っ張り上げてみたら、ようやくすごく素敵なしかけだということが分かりましたし、一番有名な「星の王子さま」の肖像の飛び出すイラストも、最初に開いたときに「ビリ」という音がしたので、慌てて静かに開き直して、きれいに開くように手で修正しました(一部がちょっと破れました)。
ということで問題がないわけではありませんでしたが、高価なだけはある素晴らしい「飛び出す絵本」でした。内容の細かい紹介を以下に書きだして驚いたのは、なんと全体で66ページもあったこと! 今までこんなにページ数のある「飛び出す絵本」なんて、見たことがありません。飛び出す+動く仕掛けの数もすごく多いし……。
もちろん永遠の名作と名高い『星の王子さま』の文章も素晴らしい上に、あの挿絵たちが飛び出して動くので、王子さまたちがどんどん生き生きと動き出して……前に読んだときよりも、いっそう物語の余韻が心に沁みわたってきたような気がします。とりわけ最後の「星の王子さまが「ぼく」の前から消えてしまう」黒いページのしかけは、その地味な見事さに心が奪われてしまいました……。
『星の王子さま』の物語が好きな方にとっては、お宝本になること間違いなしです☆
子どもが読んでも楽しい本ですが、文章が充実しているので、むしろ大人の方が、この本の詩情をしみじみ感じられるのではないかと思います。読んで、絵を見て、仕掛けも楽しめる魅力満載の絵本です。飾っても素敵なので、贈り物にしても喜ばれると思います。
・1~4ページ目:表紙(3ページ目に、星の王子さまが渡り鳥を利用して星を脱出する飛び出すしかけ。)
・5~6ページ目:レオン・ウォルトに(文章のみ)
・7ページ目:本文とイラスト。(ボアとゾウのめくりしかけ)
・8~9ページ目:本文とイラスト。(星の王子さまの飛び出すしかけ)
・10~11ページ目:本文とイラスト。(ヒツジのカード型のめくりしかけ1個と、ヒツジや箱が動いて飛び出す小さいカード型のめくりしかけ3個)
・12~13ページ目:本文とイラスト。(星にのる王子さまの飛び出すしかけ。星が回転しながら飛び出します)
・14~15ページ目:本文とイラスト。(望遠鏡をのぞくトルコの天文学者の動く飛び出すしかけ)
・16~17ページ目:本文とイラスト。(回転しかけと、星で植物の手入れをする王子さまの動く飛び出すしかけ)
・18~19ページ目:本文とイラスト。(バオバブの木が飛び出す大きなしかけ)
・20~21ページ目:本文とイラスト。(夕日を眺める星の王子さまのつまみ引きしかけ。太陽が動きます)
・22~23ページ目:本文とイラスト。(星に生まれた小さな赤い花の動く飛び出すしかけ)。
・24~25ページ目:本文とイラスト。(星の王子さまたちと赤い花が飛び出す小さいカード型のめくりしかけ4個)
・26~27ページ目:本文とイラスト。(星の手入れをする王子さまが動きながら飛び出す大きなしかけ)
・28~29ページ目:本文とイラスト。(王様の星の飛び出すしかけ)
・30~31ページ目:本文とイラスト。(うぬぼれ男の星の動く飛び出すしかけ)
・32~33ページ目:本文とイラスト。(酒飲みの星の穴あきしかけ)
・34~35ページ目:本文とイラスト。(ビジネスマンの星の円盤回転しかけ)
・36~37ページ目:本文とイラスト。(街灯点灯夫の星が動きながら大きく飛び出します)
・38~39ページ目:本文とイラスト。(地理学者の星の動く飛び出すしかけ)
・40~41ページ目:本文とイラスト。
・42~43ページ目:本文とイラスト。(王子さまとヘビの飛び出すしかけ。つまみを操作すると模様が動きます)
・44~45ページ目:本文とイラスト。(高い山に登る王子さまが大きく飛び出します)
・46~47ページ目:本文とイラスト。(王子さまとキツネの飛び出すしかけ。つまみを引くと、王子さまとキツネが動きます)
・48~49ページ目:本文とイラスト。(猟師とキツネの飛び出すしかけ)
・50~53ページ目:本文とイラスト。
・54~55ページ目:本文とイラスト。(井戸の滑車を動かす星の王子さまが大きくとびだします)
・56~57ページ目:本文とイラスト。(石の壁にすわる王子さまとヘビの動くしかけ(つまみを引くとヘビが動きます))
・58~61ページ目:本文。
・62~65ページ目:暗闇に立つ星の王子さま。ページをめくると王子さまの姿はなく、遠くの星にぼんやりとした光が走ります。
・66ページ目:本文とイラスト。
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ポップアップ版ではない児童書版の『星の王子さま』に関する記事もごらんください。
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なお、ここで紹介している本は、『星の王子さま ポップアップ絵本・完全翻訳版』ですが、この本にはより新しい『ポップアップ絵本(コンパクト版) 星の王子さま』があるようです。
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