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第1部 本
防犯防災&アウトドア
防災
被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40(アベナオミ)
『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』2017/2/7
アベ ナオミ (著)
(感想)
東日本大震災で被災したママさんイラストレーターのアベさんによる防災&避難生活の心得集です。体験者ならではのリアルなアドバイスを、コミックを交えてわかりやすく紹介してくれます☆
個人的に「防災」には関心がある方なので、実行の方はともかく(汗)、知識の方はある方だろうと自負していたので、このゆるーい感じの表紙の防災本、あまり期待せずに手にしたのですが……冒頭の「東日本大震災が発生した現場」を描いたマンガのあまりのリアルっぷりに、目が釘付けになりました。若いママ(本人)は自動車運転中、子供は保育園、パパは海沿いの会社に、と家族がバラバラな状態で震災に襲われたそうです。あわてて自宅に戻ったところ、自宅は家具やらなにやらが盛大に散乱、しかもダブルロックの窓がすべて揺れで外れていたそうです(!)。その後、ダンナさんを車で迎えに行く時に、行きやすい海側ルートは渋滞しているだろうと考えて、山側ルートを選んだそうですが、実は海側ルートを選んでいたら、津波に巻き込まれていたかもしれなかったそう。乾電池の買い置きも少なく、水の備蓄も十分ではなかったというその時の状況は、ごく一般的な家庭としては普通の状態なだけに、マンガで描かれる心理状態・生活状況がすごくリアルに感じられました。
そしてこの経験を通して、現実の被災者ならではの視点で、「最初に考えてみるべき7つのこと」を示してくれます。それは以下の通りです。
1)地震発生時の対応をシミュレーションしておく
2)災害が発生したとき命を守るのは情報(一番頼りになったのはラジオ)
3)住んでいる地域の危険度を知っておく
4)被災直後は真っ暗になるので明かりと充電器、電池が必要(手回し、ソーラーのものも)
5)震災直後、水が出たら、すぐに溜めておく(風呂などに)
6)避難について家族で話し合っておく
7)車を持っている人は、こまめに給油すること(災害時対応給油所の場所もチェック)
さらに「あのときあってよかったモノ」として、「充電式クリーナー(直後に使える)」、「野菜ジュース、青汁(野菜不足に悩まされたそう)」、「自転車(遠くに行く、重いものを運ぶ)」などを具体的に教えてくれます(他にもたくさんあります)。アベさんの家には子供用の「おしりふき」、「消臭オムツビニール袋」や、洗浄力があるのに洗い流さなくていい「赤ちゃん用沐浴剤」があり、これが家族のためにも役に立ったそうです。
そして、必要なモノを見極めて適切に持つ「ミニマル防災生活」を、心がけるようにしたそうです。確かに、ものが多いと震災時に散らかって危険ですよね。
また「まごわやさしい」は、非常時にも有効だそう。これは、「ま(豆)、ご(ゴマ)、わ(海藻)、や(野菜)、さ(魚の缶詰やニボシ)、し(しいたけなどのキノコ)、い(イモ)」のことで、これらは冷蔵庫がなかったころから伝わる食文化なので、保存がきく食材が多いのだとか。なるほど……これは早速取り入れたいと感じました。
アベさんのご家庭では、震災後は時々、家族で「バーベキュー」をするようになったそうです。これもすごくいいことだと思います。アウトドア力を高めることは、防災力を高めることにつながりますから。
現実的に役に立つ情報が満載の、すごく参考になる防災本でした。イラストが多くて読みやすいので、お子さんのいる方は、ぜひ家族みんなで読んでください。そして各自の「常時携行品」、「非常用持ち出し袋」として何を備蓄しておくかを決めて、防災メモ(避難場所や避難経路の確認、役所・消防署、ホームセキュリティ、ガス・電力・水道会社など)を作っておきましょう。
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別の作家の本ですが、『防災Walker』、『クロワッサン特別編集 [最新版]女性目線で備える防災BOOK』など、防災の参考になる本は多数あります。
なお社会や脳科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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