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第1部 本

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2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する

『2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する』2017/4/14
英『エコノミスト』編集部 (著), 土方 奈美 (翻訳)


(感想)
 英『エコノミスト』編集部が、2050年の技術を予測する本です。
 内容は、コンピュータやスマートフォン、AI(人工知能)、宇宙、ロボット、人造食料、医療、エネルギー、製造業、兵器など、未来の技術について幅広く予測しています。380ページもある厚い本ですが、各章の終りには「まとめ」が書いてあるので、その部分だけを簡単に斜め読みをすることも出来ます。
 個人的にすごく興味深かったのが、医学の未来。
「・現在、米国防高等研究計画局DARPAは、デジタル装置を人間の大脳皮質につなげるプロジェクトに、6000万ドルを投じている。その神経インターフェースは「皮質モデム」と呼ばれる。」
「・病気になったり老朽化した組織は、3Dプリンターで作られた新品の組織と交換できるようになる。こうした再生医療の確立により、人類の寿命は大幅に延びる。」
「・ゲノム編集により、まずは遺伝性の病気の根絶が目指される。その後、研究者はアルツハイマー病やさまざまな癌、心臓疾患のリスク抑制に取り組む。」
 など、さまざまな予測がなされています。
「診断から難易度の高い手術まで、学習能力を持った機械が担うようになる」とか、「幅広い疾患を幹細胞治療で直すという夢の実現」とか、「ウェアラブル端末によって24時間医療用データが収集される。インターネットにつながった住宅も健康データを集めるため、医療機関に足を運ぶ必要はなくなる。」などの予測は、すでにその一部が現実化しているようなので、2050年はもっとずっと進歩していることでしょう。
 また、わくわくさせられたのが、製造業の未来。「車は編まれ(炭素繊維)、住宅は印刷される(3Dプリンター)」のだそうです。
「・自らの形状を記憶して、自己修復したり、自ら部材に組み上がる「スマート材料」をはじめとした、さまざまな新材料が生まれる。また、昔からある材料も分子レベルで操作することで、性質を目的に合わせて変えられるようになる。」
「・「グラフェン」は、一原子層しかない「ナノ材料」で、シリコンの代替物として高性能チップや電池の製造に使えるかもしれない。」
 ……自ら組み上がる「スマート材料」や「ナノ材料」だなんて凄い☆ 2050年までに死んでいる場合じゃない。絶対に生き延びて、そんなものが実現する未来を是非とも体験しなければ!と思わされました。うーん、何を組み上げさせようかな……(わくわく)。
 このように未来の技術を多岐に渡って予測している本なのですが、『エコノミスト』誌の予測の割に、なぜか金融や経済関係の「技術の未来」がとても少なかったように思います。特に金融などは、AIやブロックチェーンなどのコンピュータ技術がおおいに活用されて、社会的に大変化を起こしているだろうと予想されているのに……。その点が少し残念でしたが、非常に広い範囲の技術予測で、とても参考になるものが多かったと思います。ぜひ読んでみてください☆
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 英『エコノミスト』編集部は、他にも『2050年の世界―英『エコノミスト』誌は予測する』などの本を出しています。
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 別の作家の本ですが、『マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている』、『2050年 衝撃の未来予想』、『2052 今後40年のグローバル予測』、『人類の未来―AI、経済、民主主義』など、今後の社会動向を考える上で参考になる本は、多数あります。
 なお社会や脳科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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