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第1部 本
自己啓発・古典&定番
アドラー流一瞬で心をひらく聴き方(岩井俊憲)
『アドラー流一瞬で心をひらく聴き方』2016/2/3
岩井 俊憲 (著)
(感想)
アドラー心理学をベースに、著者の岩井さんが、「自分も相手も大切にしながら、相手と本音で話せる関係になる」コツを教えてくれる本です。
岸見一郎さんの驚異的ベストセラー『嫌われる勇気』、『幸せになる勇気』で一躍有名になったアドラー心理学ですが、その真髄は、自分や他人に対して困難を克服する力を与える「勇気づけ」にあります。この「勇気づけ」は、「尊敬」「信頼」「共感」をベースに人間関係を築いていくもので、この本が教えてくれるコツも、もちろんこれをベースにしているので妥当で穏当なものが多く、良好な人間関係を築いていくのに実際に役に立ちそうなコツばかりです。
ところでこの本のタイトル『アドラー流 一瞬で心をひらく聴き方』は、あえて「聞き方」ではなく「聴き方」と書いています。「聴」という字には、「耳だけでなく目も駆使して相手から伝わってくる情報・感情・意図を受け取る」という意味があるそうです。
内容は、以下のような構成になっています。
PROLOGUE アドラー心理学の基本用語
PART1 聴きベタな人の5つの特徴
PART2 聴き上手な人の6つの特徴
PART3 これだけは押さえたい!聴き方の基本
PART4 「この人でなければ!」と思わせる聴き方の応用
PART5 ケース別会話例~仕事編~
PART6 ケース別会話例~プライベート編~
EPILOGUE 自分と相手のタイプを知ろう
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最初に「アドラー心理学の基本用語」としてとても分かりやすい概要紹介があるので、聴き方(会話術)の本としてだけでなく、「アドラー心理学」の入門書としても役に立つと思います。
さらに「聴き方の基本」や「応用」として、「相手の話・人柄に興味をもって聴く」「頭から決めつけずに聴く」「あいづち・うなずきで相手を主人公にする」「相手の口元を見る」などの具体的なコツを教えてくれた後、「ケース別会話例」も提示してくれるので、例えば、部下が問いかけにも答えない時には、「じゃあちょっと時間をおいて明日話そうか」と言うと良い、などのコツを知ることが出来ます(これ、使えそうですね☆)。
個人的に参考になったのは、「課題の分離」。これは、「相手との関係において、相手の課題なのか、自分の課題なのかを明確にし、踏み込まない、踏み込ませないこと」だそうです。相手に「共感」を持つことは大事ですが、つねに「対等」な関係(ヨコの関係)を意識するのも重要なのですね。
そして最後に「自分と相手のタイプを知ろう」で、6つのタイプ(「ゲッター(欲張りタイプ)」「ベイビー(赤ん坊タイプ)」「ドライバー(人間機関車タイプ)」「コントローラー(自己抑制タイプ)」「エクサイトメント・シーカー(興奮探しタイプ)」「アームチェアー(安楽タイプ)」に分けて、各々の接し方についてもアドバイスしてくれます。
意外だったのが、「ゲッター(欲張りタイプ)」との接し方で、「まわりに貢献する機会を提供する」ということ。そうか……相手が「欲張りな人」だと思うと、「まわりに貢献などしないだろう」とこちらが勝手に決めつけて、彼らが貢献する機会すら与えていなかったのかも……と反省させられました(汗)。同じように、「ベイビー(赤ん坊タイプ)」への接し方でも、「調整役をゆだねてみる」と良いようです。
とても実践的に役に立つ聴き方(会話術)を教えてもらえる本でした。ぜひ読んでみてください☆
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岩井さんは、他にも『アドラー流「自信」が生まれる本: 気づかなかった魅力が見つかる「3つの質問」』、『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』、『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』、『マンガでやさしくわかるアドラー心理学 2 実践編』、『マンガでやさしくわかるアドラー心理学 人間関係編』、『マンガでよくわかるアドラー流子育て』などの本を出しています。
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