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第1部 本
ビジネス・管理&人事
9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方(福島文二郎)
『9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方』2014/5
福島 文二郎 (著)
(感想)
アルバイトがアルバイトを指導して高いサービスの質を維持してきたディズニーの人材育成メソッドを紹介してくれる本です。
あの素敵なディズニーランドでは、なんと9割のスタッフが正社員ではなく、アルバイトなのだそうです(!)。しかもアルバイトばかりでアトラクションを運営しているにも関わらず、最高のサービスを提供し、高い収益をあげています。
ディズニーランドは、他の遊園地とは一味違って、不況にも負けないブランド価値をつくりあげていますが、その一因に、スタッフの笑顔があることは間違いないでしょう。あの魔法の国に入ると、年齢がいくつであっても童心にかえって楽しくアトラクションを楽しめますが、それはスタッフたちが、老若男女すべての人々を分け隔てなくゲストとして温かく笑顔で受け入れてくれているからだと思います。他の遊園地には、20歳を過ぎると子供連れでもない限り、なんとなく行きにくい感じになりますが、ディズニーランドなら老人になっても行けそう(笑)(もっとも最近は、他の遊園地も大人をターゲットにし始めているようで、行きやすくなってはきましたが……)。
そんな素敵なディズニーランドのスタッフの9割がアルバイトとは……と、正直、驚きました。しかもその教育システムは、アルバイトがアルバイトを指導しているものだと知って……さらにびっくり(汗)。えー? ひょっとしてブラック企業? 「ミッキーと一緒に働こう」とかうまいことを言って、その実、アルバイトをこき使っているの? と一瞬思ってしまいましたが(汗)、スタッフの方たちの笑顔には、そんな悲惨な感じはありません……いったいなぜ?
そこで、もし自分がディズニーランドでアルバイトをすることになったら、どう思うだろう?と考えた時、意外にも「他のアルバイトのトレーナーになる」ことは、むしろ楽しいんじゃないかなと感じてしまいました。
というのも、ディズニーランドでアルバイトがする仕事って、意外に単純な作業が多いような気がするからです。アトラクションでの誘導、商品販売、掃除……他にもいろいろあるのだとは思いますが、そんなに難しい仕事でもないような……(汗)。実は、こういう単純作業ばかりしていると、有能な人ほど、モチベーションが低下してしまいがちなんですよね。それに対して、「他のアルバイトのトレーナーになる」ことは、その人の役に立っている&会社の役に立っている感じがすごくするので、むしろ、やり甲斐を感じられそうな気がします。それに「他のアルバイトのトレーナーになる」ことで、笑顔の大切さを教える→自分自身も笑顔の大切さを再確認する→ゲストだけでなく職場も笑顔で楽しくなる、という好循環も自然に生まれるとも思います。
アルバイトはお金のためにやるのだとは思いますが、仕事へのモチベーションはお金だけでは維持できないと思います。褒めて伸ばす方法で後輩アルバイトを教育し、互いに助け合うことの出来る仲間と共に気持ちよく働くことの方が、むしろ給料より重要なのかもしれません。
この本では「ディズニーの社員教育システム」として、他にもいろいろ方法が書いてありますが、それらは割と普通の会社でもやっている方法だと思います(汗)。この本の一番の価値は、やっぱり「アルバイトがアルバイトを指導する」仕組みをうまく働かせている部分にあるのではないでしょうか。社員教育に関わっている方には、特に参考になる本だと思います。
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この本には漫画版の『コミック版 9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』もあります。
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別の作家の本ですが、ディズニーに学ぶ本には他にも『3日で変わるディズニー流の育て方』、『「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法』、『ディズニー サービスの神様が教えてくれたこと』、『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』など多数あります。
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