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第1部 本

教育(学習)読書

読書の技法(佐藤優)

『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』2012/7/27
佐藤 優 (著)


(感想)
 月平均300冊。多い月は500冊以上も読むという佐藤さんが自分流の「本の読み方」を教えてくれる本です。
 まず月平均300冊という数字に驚かされましたが、実は、熟読している本は洋書を含めて平均4~5冊で、それ以外は、速読(1冊30分から3時間)、超速読(1冊5分程度)で処理しているそうです。このうちの超速読は、本屋さんでの立ち読みレベルのようで、私たちが「買おうかどうか迷っている本を買わないことにする」判断のための流し読みという感じでしょうか。「速読の目的は、読まなくてもよい本をはじき出すこと」だそうです。
 でも紹介されている熟読の技法は凄いです。月に4~5冊も、こんなに徹底的に読みこんでいるんですね。その技法は以下の通りだそうです。
 熟読の技法1)まず本の真ん中くらいのページを読んでみる
(※本の真ん中というのは、実はその本の一番弱い部分なので、あえてそこを読むことで、その本の水準を知ることが出来るそうです)
 熟読の技法2)シャーペン、消しゴム、ノートを用意する
 熟読の技法3)シャーペンで印をつけながら読む
 熟読の技法4)本に囲みを作る
 熟読の技法5)囲みの部分をノートに写す
 熟読の技法6)結論部分を3回読み、もう一度通読する
   *
 そして速読の技法は次の通りです。
 速読の技法1)完璧主義を捨て、目的意識を明確にする
 速読の技法2)雑誌の場合は、筆者が誰かで判断する
 速読の技法3)定規を当てながら1ページ15秒で読む
(※内容に引っかかって同じ行を何度も読んでしまうことを避けるため定規を使う)
 速読の技法4)重要箇所はシャーペンで印をつけポストイットを貼る
 速読の技法5)本の重要部分を1ページ15秒、残りを超速読する
 速読の技法6)大雑把に理解・記憶し、インデックスをつけて整理する
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 どうやら速読でも、かなり真剣に読み込んでいるようです(汗)。なお、これらの技法の詳細については、本の中で実例をあげて解説してくれています。
 私自身はこの技法でいくと速読に近い読み方で、ポストイットを貼った部分で「参考になる」と思った部分を、後でまとめてメモするという感じでしょうか(「速読+ちょい熟読」)。そして佐藤さんはノートにメモしていますが、私はパソコンにメモしています。ノートのメモだと、「どこにどの本のメモを書いたか」を忘れるからです(汗)。その点、パソコンなら「検索」でパソコンが探してくれますから……。私自身は自分なりの「読書の技法」がすでに出来上がっているので、このスタイルを変更しようと思っていませんが、自分の読書法を模索している方には、すごく参考になるのではないかと思います。
 さらに「何を読めばいいか」では、なんと「教科書と学習参考書」を読むことを勧めています。……確かに、基礎知識なしに専門書を読んでも、ほとんど意味不明な用語ばかりで理解できませんからね。その点、高校までの教科書を一通り読んでおけば、だいたいの専門書を読む基礎知識は身につくはずですから。特に一般の社会人の方にとっては意外に使うことになる「統計でのデータ分析」のために、「数学」は復習しておいた方がいいかもしれません。
 そして小説や漫画は、「娯楽+代理経験+社会の縮図・人間と人間の関係の縮図」として読むことを勧めています。ただし漫画や歴史小説は「動機付け」にとどめるべきで、書いてある歴史的記述などを鵜呑みにしてはいけないそうです。正しくないことが書いてある場合があるからで、入り口で誤った知識をつけてしまうと後で修正するのがとても難しくなるからだとか。
「本を読む」のはすごく楽しい上に、多読は視野を広めてくれますし、いろんな知識や考え方を知ることで、人生がどんどん豊かになっていくと思います。この本を参考に、自分なりの読書の技法を見つけて、どんどん本を読んでください。
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 佐藤さんの他の本、『知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術』に関する記事もごらんください。
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 佐藤さんは、他にも『僕らが毎日やっている最強の読み方』、『僕ならこう読む』、『牙を研げ 会社を生き抜くための教養』、『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』、『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』、『君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話』、『田原総一朗責任編集オフレコ! BOOKS この世界を知るための教養 10のキーワードですべてがわかる』、『獄中記 (岩波現代文庫)』などの本を出しています。

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