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第1部 本
ビジネス・仕事力向上
自分の時間を取り戻そう―ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方(ちきりん)
『自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』2016/11/26
ちきりん (著)
(感想)
自分の時間を取り戻して、ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方を教えてくれる本です。
最初に「忙しすぎる人たち」として、残業ばかりで限界の管理職、家庭と仕事の両立に悩む母親、働きづめのフリーランス、会社が伸び悩んできた起業家の4人の短い物語が提示されます。4人とも昔の私に似たところがあって、(うわぁ……)とすごく憂鬱になりました。この4人が救われる道なんて、本当にあるの?
ちきりんさんは、「ある」と言います。その1つの方法とは、ずばり「生産性」を上げること。
ええ? でも4人とも限界まで頑張っているみたいだけど……と思ってしまいましたが(汗)、「生産性をあげる」努力が足りないと、ちきりんさんは考えているようです。
なんと、この4人のように「時間が足りない」と思っている人たちは、むしろ「仕事時間や家事・育児時間を減らす」ようにすると生産性があがるのだとか! 逆説的なようですが、人間は追いつめられると、なんとか工夫をして生産性を上げるようにしようと必死で努力するようで、工夫もないまま「ひたすら頑張って、なんとかしようとする」のは間違っているのだとか(汗)。
……それもそうかな、とは思いましたが、最近のたいていの人々は、工夫をした上でも「時間がない」と感じているような気がします(私もそうです)。
それでも、ちきりんさんも指摘しているように、現代社会は「さらに生産性を上げる」方向にどんどんシフトしていますし、「常に生産性を上げるように工夫して生きる」努力をしていかないと、今後の社会に適応していけないことも事実だと思います。
ちなみに、この本の後半で「時短術(生産性を上げる方法)」として教えてくれることは、次のようなものです。
A)所要時間を制限する時短術
A -1)1日の総労働時間を制限する
A -2)業務ごとの投入時間を決める
A -3)忙しくなる前に休暇の予定をたてる
A -4)余裕時間をたくさん確保しておく
A -5)仕事以外のこともスケジュール表に書き込む
B)無駄な時間を減らす時短術
B-1)「すべてをやる必要はない! 」と自分に断言する
B-2)まず「やめる」
B-3)「最後まで頑張る場所」は厳選する
B-4)時間の家計簿をつける
*
……わりと一般的な時短術ですよね(汗)。それでも「生産性」をあげるための心構えのようなものを、たくさん教えてもらえたので、読んで有意義だったと思います。
ちきりんさんは、「頭が動くときにしかできないTo Do List」、「頭が動かない時間でもできるTo Do List」を作っておく、という方法も使っているようですが、これ、私も使っていて、とても有効な方法だと思います。とくにTVの視聴は、時間を無駄に使いやすいので、気をつけています。朝にTV番組表から自分の見たい番組だけに予約を入れると同時に、これを見ながらやる仕事(洗濯物を畳むなど)を決めておくなど、「頭が動かない時間でもできるTo Do List」をあらかじめ決めておくと、時間を有効活用できます。
また「完璧を目指さない」ことも大事だと思います。個人的には、どちらかというと完全主義者で八方美人的な性格だったのでストレスがたまりやすかったのですが(汗)、ある日ふと、「イライラと文句を言われながら完璧な仕事」をしてもらっても嬉しいだろうか?と思ったことがあり、むしろ「ニコニコしながら、そこそこの仕事」の方が良い場合も多いのでは?と考えるようになりました。このように心がけを変えると、自然に笑顔も出るようになり、周囲との人間関係も良くなっていき、やがて生活を楽しむゆとりが出来るようになったと思います。最近は、時短に役に立つ「お惣菜・冷凍食品」や家事サービスも増えているので、時間のない方は、積極的に「外注」を活用してみてはいかがでしょうか。「イライラ完璧よりニコニコ手抜き」ですよ、みなさん(笑)。
そしてみんなが安心してこのように「生産性」を上げるためには、「残業しないで済む」環境作りも必要だと思います。「残業せずに自分の仕事が終ったとしても、残業して他の人の仕事を手伝え」という雰囲気だと、やっぱり「生産性」を上げてさっさと帰るのには、どうしても精神的葛藤が生まれますから(汗)。もっともこの本によると、「仕事が増えたとしても、自分の生産性を上げれば、労働市場での評価が高くなる」ので、どんどん生産性を上げよと言っていますが……。なんだか少年ジャンプで連載していた漫画『めだかボックス』を思い出してしまいました。この漫画では、主人公の完璧超人巨乳美女の生徒会長・黒神めだかが、「目安箱」に入れられた生徒たちの問題を解決していくことで、さらに完璧超人になっていくのですが……読みながらいつも人間が出来すぎだろ!と内心では思っていました……。
それでも、このような本で「みんな」が生産性を上げるよう(意識を変えることを)促していくことは、すごく有意義だと思います(笑)。
さて、この本の後半では、冒頭の物語の4人は生産性を上げることで救われます(お約束の展開ですね)。そんなに簡単にうまくいくかよ、とツッコミをいれたい気持ちにもなりましたが(汗)、生産性を上げる努力には、次のような副次効果もあるそうなので、みなさん、ぜひ生産性を上げるよう努力しましょう(笑)。
・いつのまにか成長できていること
・やりたいこととそうでもないことが、明確に区別できるようになること
・自分の人生の希少資源の使い途に関して、他人の目が気にならなくなること
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ちきりんさんは、他にも『マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』、『「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記』、『悩みどころと逃げどころ』、『多眼思考 ~モノゴトの見方を変える300の言葉!』、『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』、『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』などの本を出しています。
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