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第1部 本

パズル

都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック 修学旅行においで(はやみね かおる、他)

『都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック 修学旅行においで (YA! ENTERTAINMENT)』2012/8/31
はやみね かおる (著), にし けいこ (著)


(感想)
 転校生の「きみ」が友人と一緒に京都・奈良の修学旅行に出発する、という設定の「ゲーム・ブック」です。
 物語をつくるのは、主役の「きみ」。物語を読んでいくと、区切りごとに選択肢が出て来るので、どれかを選ぶことで物語が進んで行くのです。選び方によっては、そこで修学旅行は終わって(ゲーム・オーバーにされて)しまいます(笑)。果たして「きみ」は、使命(ミッション)を果たし、冒険(修学旅行)から無事に帰ってこられるのか? という趣向で作られた「ゲーム・ブック」です。……が、「きみ」の修学旅行は、ただの観光旅行ではありません。友人の創也の知り合いから「神社や寺をただめぐるだけではタイクツだろうから、隠したメッセージを辿って、おれたち四人におみやげを買ってきて欲しい」と頼まれるのです。
 最初のメッセージは、バスの中に隠されていました。中には、「つぎのメッセージは、一日目に行く京都の観光地のどこかにかくしたわ。暗号を解いたら、その場所がわかるわよ」という文章とともに暗号が……。これらの暗号や謎を解きながら、京都・奈良の名所旧跡の観光はそっちのけで(笑)、おみやげを探して奔走するというゲーム・ブックです。
 ……正直に言って面倒くさいのでゲーム・ブックは好きではなかったのですが(汗)、この本はとても楽しめました。暗号の難易度も適度で楽しめるし、中学生の修学旅行らしい描写にも、なんだか懐かしさをおぼえました。文章も読みやすいので、「次は121へ」のように番号を辿って読み進むのもあまり苦ではなく、むしろ展開がよめなくて面白いかも、と感じました。
 さて、頼まれたおみやげは全部で4つ。読書一巡目で探せたのは3つだけで、4つめは不運にも買えませんでした。暗号は解けたのですが、運による選択みたいなものでミスしていたのです(涙)。しかたなく二巡目。選択ミスした部分をやり直すついでに、他の選択肢を選んだらどうなったのかも軽く確認しながらのんびり進み……ようやくミッション・コンプリート☆ 正しい4つのお土産を渡すことが出来ると、おまけの物語を読むことが出来ます。
 このゲーム・ブックは人気の推理小説「都会のトム&ソーヤー」シリーズの一冊のようですが、「都会のトム&ソーヤー」を読んだことがなくても、まったく問題なくクリアできます。
 暗号には少し頭をひねりましたが、分からないと感じた時には素直に「ヒント」を読みましょう。ヒントさえあれば、なんとか解答にたどり着けると思います(なお、この本の中に暗号の答えはありませんが、ネットで探すことは出来るようです(巻末にサイト名が書いてあります))。
 ゲームやパズルが好きな方なら、とても楽しめる本だと思います。「修学旅行のしおり(本の最初にとじこまれています)」と鉛筆と消しゴムを用意して、さあ『都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック』の修学旅行にでかけましょう。
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 このシリーズからは他にも『都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック 「館」からの脱出』というゲームブックも出ています。また『都会のトム&ソーヤ完全ガイド』は、この「都会のトム&ソーヤ」シリーズのあらすじ事件簿などが掲載されたガイドブックです。

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