ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第１部 本
自己啓発・精神力
「脳にいいこと」だけをやりなさい!（シャイモフ）
『「脳にいいこと」だけをやりなさい! : 心と体がみるみる元気になる生活術! (知的生きかた文庫)』2012/6/22
マーシー・シャイモフ (著), 茂木 健一郎 (翻訳)
（感想）
「脳にいい」食べ物や睡眠法など、脳を活かす生活術を教えてくれる本です。脳科学の本のようなタイトルですが、どちらかというと『引き寄せの法則』に近い、精神力を高める本です。
「脳にいいこと」には、大きく次の７つがあるそうです。
１）ネガティブ思考の「大そうじ」をする
２）プラス思考で、脳にポジティブな回路をつくる
３）何事にも「愛情表現」を忘れない
４）全身の細胞から健康になる
５）瞑想などで脳を「人智を超えた大いなる力」につながる
６）目標をもち、脳に眠る才能を開拓する
７）つき合う人を選んで、脳にいい刺激を与える
＊
楽観的な人のほうが、脳はよく働くそうです。だから上の７つの方法は、悲観的思考や習慣をやめて、楽観的な思考や習慣を取り入ることで、精神も肉体も健康にしていくものになっています。
「プラス思考の基礎を作る」ための２つの心得は、１）幸せになれるかどうかは自分次第、２）自分の人生に責任を持つ、ということで、逆に「幸せを奪う３つの習慣」は、１）不平を言う、２）他人のせいにする、３）自分を恥じる、なのだそうです。
この本は、以上の考え方をベースに、より具体的な「幸せを呼ぶ脳の使い方」として、「1．解決策に目を向ける」、「2．貪欲に「教訓」と「利点」を探す」、「3．失敗は意識して水に流す」などをはじめとする21の方法を教えてくれます。あまり目新しい方法はありませんが（汗）、むしろ納得しやすく、また実行しやすい方法が多いと思います。
また、心に響くさまざまな言葉が、随所に散りばめられています。
特に印象に残ったことの一つが、「瞑想がどのようなものかをわかりやすく説明した話」。
ある賢者が弟子たちに瞑想とはどのようなものかを尋ねられ、こう答えたそうです。
「それは、ふるいを水で満たすようなものです」
弟子たちはわけがわからなくなり、賢者にさらに尋ねると（中略）、賢者はふるいを海に投げ入れました。
「これで、ふるいは水で満たされました。そして永遠に満たされたままです。瞑想とはそういうもの。精神を少しずつすくうものではなく、精神の海に入って、日々ここに浸っているということなのですよ」。
なるほど……。
またチベット仏教の説話に、次のような話があるそうです。
＊
二人の僧が、監獄を出て数年後に初めて会いました。監獄では看守たちからひどい拷問を受けた二人です。
「彼らを許したかい？」一方の僧が聞きました。
「許すものか！ 絶対に許さない！」もう一方の僧が答えました。
「そうか、君はまだ監獄にいるのだね」
＊
この説話は「幸せを呼ぶ脳の使い方８：人を一度許す」という項目の中で紹介されています。ここでは他にも「末っ子を殺した若者を許したメアリーの物語」や、ナチスを許したアウシュビッツの生存者エヴァ・コールの言葉「私は自分のために許すのです。許しは自分を癒すこと、自分に力を与えることです」などが紹介されています。「許す」ことはとても美しいことだと思いますが、私自身は、「虐殺や殺人を行った人を許す」ことが本当に正しいことなのか、いまだに迷っています。それでも、この本が教えてくれるように「許さないでいることは過去の苦しみに囚われ続けること」なのかもしれないなとも感じます。メアリーさんやエヴァさんのような聖人君子にはなれそうにありませんが、この説話を心にとどめて、当面は「許そう、でも忘れない」精神でいようかな、と思います（汗）。
さて、多くの研究から、脳でつくられる幸せの化学物質（エンドルフィン、セロトニン、オキシントン、ドーパミンなど）は、日々の行動によって増やすことができることがわかっています。そしてこの本の中では、脳に良い生活習慣として、正しい食生活や、夜10時前の就寝、瞑想や腹式呼吸、運動（気功、ウォーキング）などが紹介されています。どの方法も、「脳にいい」だけでなく身体にも良さそうなので、ぜひ読んで試してみてください。
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『Happy for No Reason: 7 Steps to Being Happy from the Inside Out (英語)』は、この本の原著とされています。また続編の『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!確実に自分を変えていく法』もあります。
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