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第1部 本
自己啓発・コミュニケーション
他人を支配する黒すぎる心理術(マルコ社)
『他人を支配する黒すぎる心理術』2013/9/10
マルコ社 (編集)
(感想)
人間の本質的な心理原則を活用したコミュニケーション術を教えてくれる本です。
ですが……書店のビジネスコーナーでこの黒い表紙の本を見た時、ちょっとギクっとしました。その時すでにベストセラーになっている本だと知っていなかったら、手に取る勇気すら持てなかったかもしれません(汗)。すごく……アヤシイ感じのするタイトルで、相手に気づかれずに催眠術をかけて支配する……みたいな危険な悪いニオイがします。
ところが読んでみると、内容はごく普通の「人間心理をよく知って、コミュニケーションを円滑にしよう」というノウハウを教えてくれる本でした。「他人を自分の思い通りに支配(使役)する」方法を知りたい方には、絶対に期待外れの内容ですので、ご注意を(むしろもっと普通のタイトルにして欲しかったです)。
まず「第1章 黒すぎる心理術の系譜」では、心理学の概要の解説に続いて活用例も紹介されています。興味深かったのは、「スーパーマーケットは「左回り」に歩くように動線設計されている」という話。人間は「左回り」の時は気持ちよく感じるそうです。なるほど、いつもと違う入り口から入ってしまって仕方なく「右回り」すると、なんだか違和感が強いのは、そのせいかもしれませんね……。
その他にも「視線の動きから心理状態がわかる」という話も参考になりました。視線が右上に動く時は「視覚イメージを思い出そうとしている」、視線が左上に動く時は「考えようとしている」そうです。ちなみに嘘をつこうとする時は、左に動くようですよ。
また「第4章 他人を支配する黒すぎる心理術」でも、「男性は能力をほめてたらしこむ。女性は行動を褒めて恋心を抱かせる」とか「都合の悪い要求を隠して、相手が要求を引き受けてから、それを持ち出す(ロー・ボール・テクニック)」、「過大な要求を先にぶつけて断られてから、本命の要求を持ち出す(ドア・イン・ザ・フェイス)」などなど、なるほどー、と思わされるテクニックの紹介がいろいろありました。
そして「第5章 他人に「操られない」ための心構え」もあります。この本を読もうと考えたのは、実は「他人を支配するテクニックを知って、支配されないよう心がけよう」と考えたからだったのでした(汗)。
その一部を紹介すると、「感情をあおられている状況で物事を判断しない」、「少しでも不明点があれば納得がいくまで説明してもらう」、「他人からもらう不自然で大きな利益は信用しない」などで……、結構、当たり前のことのようにも思いましたが(汗)、それだけに説得力のある項目が並んでいました。
全体的には、かなり実用的な内容だと思います。残念ながら(?)「黒すぎる」と言う程のインパクトはありませんでしたが(汗)、日常のコミュニケーション能力を向上させたいと考えている方には、参考になるのではないでしょうか。
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別の作家の本ですが、『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』、『コールド・リーディング―人の心を一瞬でつかむ技術』、『人は「心理9割」で動く ? 思いのままに心を奪う「心理学の法則」』、『他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術』、『相手を自在に操る ブラック心理術 (日文新書)』など、コミュニケーション能力向上の参考になる本は多数あります。
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