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第1部 本
防犯防災&アウトドア
防災
世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術(スウィーニー)
『世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術』2011/8/25
マイケル・S・スウィーニー (著), ナショナル ジオグラフィック (編集)
(感想)
地球上のあらゆる場所でのサバイバルに役立つ情報が詰め込まれた本です。
この本の著者は、ジャングルでの霊長類調査を始める前に、サバイバルの本を探したのですが、現地に持参できる荷物の量は限定されるのに、地球上の多様な環境を一冊に網羅した本がなかったそうで、その経験が結果的に、この本を手掛けるきっかけになったとか。そのため、この本には森林から砂漠、寒帯、水上など、あらゆる環境で役に立つ情報がぎっしり詰め込まれています。
内容は次の通りです。
Chapter1 基礎編:心と体の備え
Chapter2 基礎編:技術と道具の備え
Chapter3 温帯林
Chapter4 湿地と熱帯雨林
Chapter5 高山
Chapter6 砂漠
Chapter7 極地と亜極圏
Chapter8 水上
Chapter9 自宅
Chapter10 自然災害
資料
「Chapter1~2」ではサバイバルの基本、「Chapter3~8」では特定環境での対処法、そして「Chapter9~10」では身近な災害への対処法を解説してくれます。
最も実用的に役に立つのは、「資料」かもしれません。「資料」には、用意しておくべき救急キットの中身のチェックリストなどの他、応急処置の方法、ごく基本的なロープの結び方3種類、食用植物などが掲載されています。
サバイバルの総合的参考書として、すごく役に立つ内容なのですが、役に立つ情報(文章)を詰め込みすぎているせいか、ナショナル ジオグラフィックの本としては、写真やイラストが少ないのがちょっと残念です。また全体的に文章がけっこう長めで、だらだらした解説になっているので、箇条書きなど、もう少し簡潔な分かりやすい文章にして欲しかったなとも思いました(汗)。
それでも手元にこの本が一冊あると、かなり心強く感じるのではないかと思います。
例えば「準備」の中では、「遭難者が救助される場合、そのうちの約95%は、救助機関が遭難の連絡を受けてから72時間以内に助け出されている、と言われている」と書いてあって、遭難した場合には、むやみに動かずその場にとどまった方がいいというアドバイスに説得力を感じました。
また、周囲の状況を分析するために覚えておくべき「3の法則」も、役に立ちそうだと思いましたので、以下に紹介させていただきます。
まずひとつめは、人間は酸素がなくなると「3分」で死んでしまうということ。
ふたつめは、人間は風、雪、砂漠の太陽といった厳しい気象条件に「3時間」以上さらされていると、深刻な状況に陥るということ。
最後に、人間は発汗、呼吸、排尿、排便によって体内から失われる水分を補給するために、「3日」以内に水が必要になる。また疲労によって体が衰弱するのを防ぐため、「3日」以内に睡眠をとらなければならない。(中略)人間の身体は厳密にいえば、「3週間」は食事をとらなくてもたいていは問題ない。
その他、たき火に利用できる枯れ枝の探し方、飲料可能な水、食べられる植物の見分け方(最初は皮膚でパッチテストを行う)、雪よりも氷を溶かした方が効率が良いなど、参考になる情報が満載です。ただし、イラストが少ないため、文章だけだとイメージがつかみにくいものもありますので、実際にこの本を、フィールドワークなど自然環境の移動の際のサバイバル書として使おうと考えている方は、必要と思われる項目の部分を事前に読んでおいて、イメージがつかみにくいと思う部分は、他の参考書を探して、この本の余白にメモを書いておいた方が良いかもしれません。
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ナショナル ジオグラフィックの他の本、『世界のどこでも生き残る 異常気象サバイバル術』に関する記事もごらんください。
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ナショナルジオグラフィックからは、他にも『本当にあった 奇跡のサバイバル60』など、防災に役立つ本を出しています。
また、『ナショジオ式自由研究 親子でできる たのしい科学実験』、『地図の物語 人類は地図で何を伝えようとしてきたのか』、『プロが教える夜景写真
撮影スポット&テクニック』、『遙かなるグルクン』、『復刻版 ネコの本』、『DVD ザ・カリスマドッグトレーナー シーザー・ミランの犬のトラブル解決ショー』、『うさぎ島
会いに行けるしあわせ動物』など、興味深い内容の本もいろいろ出しています。
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