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日本の山はすごい!「山の日」に考える豊かな国土(山と溪谷社)
『ヤマケイ新書 日本の山はすごい! 「山の日」に考える豊かな国土』2015/7/24
山と溪谷社 (編集)
(感想)
山や自然に関する本や雑誌でおなじみの「山と溪谷社」が、日本の山について多角的に紹介してくれる本です。
と言っても、「登山の仕方」を教えてくれる本ではありません。日本列島の成り立ちや、日本人と山の関係の歴史、川や水、温泉などを通じて、日本の山の素晴らしさや恩恵を総合的に解説してくれる本です。
2016年8月11日から、「山の日」が国民の休日としてスタートします☆ この本は、日本人と山の関係の将来を見据えるために、日本の山の特異性と、山によってもたらされた日本の文化の特異性について考えた本だそうです。
ところで、日本は山と森の国、と言われても、ふだん平地の都市で暮らしているとあまりピンときませんでしたが、この本によると、日本列島の72.8%が山(丘陵地を含む)なのだそうです。そんなに山ばっかりだったんですね!
また水についても、水道の蛇口をひねるとすぐに出て来るので、日本は水に恵まれた国だと考えていたのですが、実は、人口が多く、気温が高く水の蒸発散量も多いため、日本人ひとりが使える水の量は、世界平均の3分の1程度だとか! 降雨量は世界平均の2倍以上あるそうなので、確かに水には恵まれてはいるようですが、実際には、ダムや水路が整備されているから不自由していないだけなようです。
この本は、山や自然と日本人との関わりについて、本当に総合的多角的にまとめてあるので、知らなかった情報がたくさん詰まっていて、とても参考になります。富士山には川が流れていないとか、知りませんでした。富士山の水は「伏流水」として流れているそうです。でも……富士川ってのがあるんじゃない?と思ったら、富士川は富士山ではなく、山梨県と長野県の県境にある鋸岳から流れてくる川だそうです(汗)。へえー……。
さて、今、日本で山登りやスキーを楽しむ外国人が増えているそうです。
確かに、日本の山々の四季を空撮したビデオを見ると、春の桜、夏の緑、秋の紅葉(錦)、冬の氷雪……その豊かな美しさに、日本人の私でさえ思わずため息が出ます。
日本列島の68.5%は森林だとか。経済発展している国では、フィンランド、スウェーデンにつぐ3番目だそうです。北欧の森と湖に憧れを抱いていましたが……ひょっとして日本の方が素敵なのかも。北欧より気温が高くて暮らしやすいし(笑)。
世界に誇れる美しい日本の山や森を、これからも守っていきたいと感じました。
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別の作家の本ですが、日本の美しい山の本には、『日本百名山データBOOK』、『日本百名山 (新潮文庫)』など多数あります。
また山や自然のことをより深く知るための本も、『緊急図解 次に備えておくべき「噴火」と「大地震」の危険地図』、『ここが見どころ 日本の山―地形・地質から植生を読む (列島自然めぐり)』、『日本の地形・地質―見てみたい大地の風景116 (列島自然めぐり)』、『増補版 地層の見方がわかる フィールド図鑑: 火山・津波・地すべり・地殻変動… 実際の地層や鉱物から成因・特徴がわかる』、『石ころ博士入門 (全農教・観察と発見シリーズ)』、『日本の石ころ標本箱: 川原・海辺・山の石ころ採集ポイントがわかる』など色々あります。
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