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第1部 本

脳&心理&人工知能

ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム(古屋晋一)

『ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム』2012/1/23
古屋晋一 (著)


(感想)
 10本の指を自在にあやつり、1分間に数千個にのぼる音を超高速で鍵盤から紡ぎだす……そんなピアニストたちの超絶技巧と驚異の記憶力を支える脳のメカニズムを、最新の知見により明らかにした本で、ピアニストの方だけでなく、音楽や脳生理に興味のある方に、すごく参考になると思います。
 脳は、一般に「使えば使うほど増え、使わなければ減る」という性質を持っています。
 ピアニストの脳を調査したところ、1日の練習時間が長いピアニストほど、小脳の体積が大きいということが分かったそうです。ピアニストは、音楽家ではない人よりも、小脳の細胞が50億個近く多いとか! ピアノの練習は脳トレにもなりそうですね☆
 また「7歳より前に専門的な音楽訓練を受け始めたピアニストのほうが、音楽家ではない人よりも脳梁の体積が大きい」とか、「「脳のやわらかい」時期にたくさん良い音楽を聴いたり、音楽の教育を受けたりすることが、その後の人生で音楽を深く楽しむための「一生の財産」となる」とか、子どもの頃からピアノを練習していると、音楽技能だけでなく、脳も発達するという嬉しい効果があるようです。しかもなんと外国語も覚えやすくなるとか!……お子さんにピアノを習わせようか迷っている方は、この本をぜひ読んでみてください。すぐに習わせたくなると思います(笑)。
 えー? 子どもの頃、ピアノどころか楽器も習ったことない(泣)……という方でも大丈夫。成人後であっても、トレーニングでピアノは弾けるようになりますし、良い耳を育むことも可能なようです。ただ……幼少期に頑張ってピアノを練習しておくと、「変化しやすい脳」になるので、大人になってからでも少しの練習で大きな効果が得られるようになるらしいですが……。
 また、実際にピアノを使った練習が出来ない時には、イメージ・トレーニングをするだけでも、指を動かす神経細胞の働きを向上させることが出来るそうです。
 この本の著者の古屋さんは、3歳からピアノを始められたのですが、大学生の時にピアノの練習で手を痛めてしまったそうです。その経験から「どう身体を使えば、手を傷めず幸せにピアノを弾き続けるのか」の研究を始められたとか。
 ピアニストの方々は、本当に毎日長時間練習している方が多いので、「身体を傷めない」方法を明らかに出来れば本当に素晴らしいと思います。音楽を、ピアノを愛しすぎたために、自分の身体を駄目にしてしまうなんて、すごく悲しいことですから……。古屋さんの今後の研究にも期待したいと思います☆
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 別の作家の本ですが、『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』、『ピアノがうまくなるにはワケがある: 努力よりコツ!』など、ピアノと身体の関係や上達法について参考になる本は多数あります。
 なお脳科学やIT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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