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第1部 本
教育(学習)読書
竹中式マトリクス勉強法
『竹中式マトリクス勉強法』2011/2/9
竹中 平蔵 (著)
(感想)
2001年小泉内閣に入閣し経済財政のエキスパートとして構造改革に取り組んだ竹中平蔵さんが、自分の勉強法を教えてくれる本です。勉強法自体には、特に目新しい方法があるわけではありませんが(汗)、日々勉強を続けようとする竹中さんの生き方に、勉強法の極意や心得を学ぶことができます。
タイトルの『マトリクス勉強法』とは、勉強の方向性(武器として勉強するのか、人間力を鍛えるために勉強するのか)と、目標の到達点の有無(天井があるか、ないか)の二つの軸で、勉強の種類を4つに分けて、その時々の自分の能力や仕事の状況に合わせて、勉強の中身ややり方を変えてみるという方法のようです。
この4つの次元には、(記憶勉強(例:資格試験など)、仕事勉強(例:英会話など)、趣味勉強(例:茶道など)、人生勉強(古典、音楽など))があり、その中で、今自分はどの勉強を優先すべきかを考えて、優先順位をつけ、中・長期的な勉強計画を立てるそうです。
「勉強」をこのように分けて何になるのか? と少し疑問に思わなくもなかったのですが(汗)、どうやら受験勉強(記憶勉強)が苦手だった方や、受験勉強をやり過ぎて嫌になってしまっている方でも、他の勉強(趣味勉強や人生勉強)では学ぶことがたくさんあるから、勉強をやめてしまうのはもったいない、ということのようです。
2章以降は、竹中さんの経験による勉強法の極意紹介なのですが、たとえばその基本の極意9つとしては、「常に目標を二つ持て」、「逆算して計画せよ」、「何事も基本がすべて」、「よきライバルを持て」、「メモを持ち歩け」、「時間は作るもの」、「人と群れるな」、「自分のためにカネを使え」、「よく寝よ」を上げています。
この中で特に役に立ったのは、「逆算して計画せよ」。目標実現の予定日から逆算して、いつまでに何を決めるなどのリストを作って計画することで……勉強はもちろん仕事での計画にも適用できるものです(というか……仕事の場合は当然、このように計画するものだと思いますが、それを勉強にも適用するのです)。
また印象に残ったのは、竹中さんが見たという、小泉純一郎元総理の官邸の掛け軸の文字「風吹けど動ぜず、天辺の月」。たとえ風が吹こうが天辺の月は動じないという意味ですが、大志を抱く人の心の支えになる言葉だなあと思いました。また、この本の後ろの方で、小泉元総理が総理在任中、ある記者から「最高権力者になったと自覚するときはいつですか?」と質問されたときの答えも紹介されていますが、それは「そうですね。あんまりないですが、強いて言えば、何をしても否定されることですかね」だったとか!
さらに「時間は作るもの」の項目では、なんと宴会からの途中抜け出しの極意もあって、それは「宴会の最初から行く」「最初からなるべく軽装で出向く」「出口から一番近い席に座る」だそうです(笑)。
このように具体的に役立つ極意もありますが、なんといっても「日々、学び続ける」竹中さんの真摯な姿勢がびしびし伝わってくるところが、この本の一番の価値かもしれません。老化を防ぐためにも、毎日「よく寝て」学び続けたい、と思います(汗)。
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竹中さんの他の本、『経済ってそういうことだったのか会議』に関する記事もごらんください。
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竹中さんは、他にも『竹中式 イノベーション仕事術』などの本を出しています。
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別の作家の本ですが、『京大首席合格者が教える 「やる気」と「集中力」が出る勉強法』、『医学で合格る勉強法』、『脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!』『図解
超高速勉強法―「速さ」は「努力」にまさる!』など、参考になる勉強法の本は多数あります。
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