ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
しかけ絵本(日本の作家)
ぱたぱた絵本 くまさんどこかな?
『ぱたぱた絵本 くまさんどこかな?』2015/11/17
高橋 香緒理 (著)
(感想)
階段のように、本のページを左右に、そして上下に、ぱたぱた開いていくという珍しい構造の絵本です☆
初めてこの絵本を書店で見たとき、最初のページはすぐに横に開けたのですが、次のページは……え? 上に開くの? そして次は右? そして上?……こんな風に、なんだか包み紙を開くみたいな感じにどんどん大きく広がっていって……ついには書店ではとても全部を広げきれない(立ち見しきれない)大きさに!
しょうがないので、購入して、続きは家で見ることにしました(笑)。
そうしたら、ようやく本の全貌がつかめました。
この本は「くまさん」を探して、女の子が、自分のアパートの階段じゅうの部屋を探して回る絵本です☆
そして全部開くと……なんと全体が一枚の紙で出来ていたのでした! 一枚の紙を切り折りすることで、絵本が作られていたのです! 全ページを広げると畳半畳以上の大きさになって……ようやく6階建てのアパートの部屋の中(と階段)を全部見ることが出来ました(裏面はドアと階段)。
うわー、こうなってたんだーと、ちょっと感動。
絵本のアパートに住んでいる人たちも個性豊かだし、風で吹き飛ばされた物たちが、階段に散らばって転がっていくというコワザもあって、くすくす笑えます。色彩も水彩画風で、懐かしい感じの絵柄に心が癒されます。
しかも広げたページを元通りに畳むのにも、ちょっぴり頭を使うので、お子さんと一緒に畳んだり広げたりするのも、とても楽しいと思います。絵本にはケースがついているので、畳んだ絵本はケースにしまうことができます。
そして、この絵本の一番いいところは、手作り絵本を作るときの参考になるところ☆
全体が大きな一枚の紙で出来ているので、ホチキスなどでページを留める必要がないのです。だから大きい画用紙を買ってきて、この絵本のように切り折りすれば、自分だけの絵本を作ることが簡単に出来てしまいます。この絵本を参考にして、お子さんと一緒に、手作り絵本を作ってみると、もっと楽しいのではないでしょうか。
幼稚園やホームパーティのような場所で、大人数で作る時は、この絵本の各部屋のサイズの小さい紙をみんなに渡して、それぞれ好きなように描いてもらい、最後に画用紙に貼りつけて一冊の絵本に仕上げる、という共同作業も出来そうです。
本当に本の宣伝文句通りに、「本の構造の可能性を切り開く、まったく新しい絵本」でした☆
* * *
ところで、この本の宣伝文句に「独特なハンド・メイド絵本(『夜の木』『水の生きもの』)で世界中を魅了したインドのタラ・ブックスから届いた魔法の1冊」と書いてあったので、参考までに『夜の木』、『水の生きもの』も以下に紹介させていただきました。これらの絵本はハンド・メイドで部数が少ないせいか、価格が高騰している場合があるようです。購入する場合は価格に気をつけてください。
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