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第1部 本
社会
世界に冠たる中小企業
『世界に冠たる中小企業 (講談社現代新書) 』2015/2/19
黒崎 誠 (著)
(感想)
日本にはトヨタやホンダ、日立やパナソニックなど世界有数の大企業がたくさんありますが、本当に日本経済の中核を形成しているのは、中小企業です。日本の中小企業は、我が国の全企業数のうち99.7%、就業者数の70%近く、付加価値額の55%前後を占めているのです。
この本は、日本の底力を担う「頑張っている中小製造業」24社の戦略と技術について紹介してくれます。中小企業の経営者や従業員の方に参考になるだけでなく、就職をめざす学生の方にも、自分がどんな企業に就職したいか考える上で参考になると思います。
紹介している企業は、特色別に次の24社です。
「1 伝統技術を生かす」(ニッパーのKEIBAで知られるマルト長谷川工作所など5社)
「2 専門分野に特化」(ばねの東海バネ工業など5社)
「3 超先端技術を武器に」(超ハイテク実験装置製造の北野精機など4社)
「4 ニッチ市場を制す」(機械式精密位置決めスイッチ製造のメトロールなど6社)
「5 業態転換で勝つ」(大型旋回ベアリング製造のアンテックスなど4社)
これらの中小企業が、世界シェアトップの集団になるための戦略には次のようなものがあるそうです。
・新しい販路の開拓
・量産品から高品質品へ
・原料へのこだわりと匠の技
・大量注文にはいっさい応じない
・値引きしてまで売らない
・「もやもや」を聞き出すことから始める
・管理部門なんていらない
・20年先を見越して技術を磨く
・大手の進出できない新たな市場を自らつくる
・他社と同じことをしていたら生き残れない などなど……。
紹介されている24社の中には、経営危機や円高など環境変化の荒波にもまれて苦しみながら生き残っている会社も多く、その苦労話は参考になるだけでなく、頑張っている姿に元気をもらえる気がします。
なかでも、カニカマ製造機器の世界的メーカー・ヤナギヤの次の経営方針が心に残りましたので、記事のしめくくりに紹介させていただきます。
1 誰もやらないことをやる
2 あの会社がなくてはダメと頼られる会社となる
3 仕事を知り尽くす
4 一歩先を提案する
* * *
別の作家の本ですが、中小企業関連の本には、他にも『中小企業を長く続ける社長の指南書 悩む前にやるべきワンランク上の経営学』、『中小企業の底力: 成功する「現場」の秘密』、『銀行員はココを見ている 社長のための「中小企業の決算書」読み方・活かし方』などの本があります。
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