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第1部 本
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宇宙への秘密の鍵
『宇宙への秘密の鍵』2008/2/9
スティーヴン ホーキング (著), ルーシー ホーキング (著), 佐藤 勝彦 (監修), & 1 その他
(感想)
世界的に有名な理論物理学者のホーキング博士が、世界中の子どもたちに贈るスペース・アドベンチャーです☆ 楽しく物語を読んでいるうちに、宇宙の知識がついて、科学への興味をかきたてられます。
……というのがこの本の評判(売り文句)でしたが、著者がホーキング博士とその娘さんだということだったので、(勉強にはなるんだろうけど、本当はたいして面白くはないんだろうな……)と内心で思いつつ読み始めました(汗)。ところが、本当にこの通りの内容だったので、むしろびっくりしました(笑)。すごく面白かったです。
物語の主人公は、小学生のジョージ。環境保護活動をしている科学嫌いの両親に育てられ、家ではコンピュータゲームどころかTVすら見せてもらえない(コンピュータもTVもないので!)、すごくかわいそうな子です(涙)。
ところがある日、飼い豚のフレディがいなくなってしまい、どうやらお隣の家に入り込んでしまったようなのです。その家は長い間、空き家になっていて、住人のおじいさんが失踪したという噂がありました。ジョージは勇気をだして、荒れ果てた庭に入り込みますが……。
(※ここから先は、物語の核心にふれるネタバレを含みますので、結末を知りたくない方は読み飛ばしてください)
無人だったお隣には、不思議な科学者の親娘が住み始めていました。お父さんのエリックは、最高頭脳をもつスーパーコンピューター・コスモスを開発していて、それは、なんと宇宙空間への扉を開くことができるのです☆
ジョージは、エリックの娘アニーと一緒に、書斎に開いた不思議な扉から、宇宙空間へ飛び出します。彗星の群れを見たり、土星を旅したり……ジョージは宇宙旅行を通じて、この広大な宇宙の中で、私たちの住む地球が、どんな星なのかを知っていきます。
でもエリックを敵と狙う、ジョージの学校のリーパー先生と、いじめっ子のリンゴたちがしかけてきた罠に、エリックはまんまとひっかかってしまいます。彼は偽情報を信じて、宇宙の闇に吸い込まれていってしまうのでした。
ジョージとアニーは、無事に彼を救い出せるのでしょうか……。
わくわく、はらはらする冒険物語です。
書斎からの最初の宇宙体験の後に、月の地球照の写真のページがあるのですが、美しくて神秘的なこの「現実の写真」が、いつもよりもぐっと身近に感じられて、ハッとしました。そして「月をもっとよく見たい」との渇望が不思議に湧き上がってきました。すると、なんと次のページに月の詳細写真が! これが月か☆ と、思わず見入ってしまいました……もう、のっけから科学や宇宙への興味を掻き立ててくれちゃいます、いやホント☆
この他にも、宇宙に関する解説が随所にあるのですが、ほどよい量なので、物語の邪魔になるどころか、その知識が物語をより楽しめるように配置されています。また火星や、木星の衛星などのカラー写真も結構たくさん載っていて、それも驚くほど鮮明な美しい写真(必見です☆)なので、ますます興味がかきたてられていきます。
もちろんホーキング博士お得意の(?)ブラックホールも出てきます。ハッピーエンドになるラストには、「おいおい、そんなはずないだろ! どんだけの確率だよ」と、さすがに少しツッコミをいれたくなりましたが……(笑)。
子供だけでなく、大人が読んでも楽しくてためになるスペース・アドベンチャーです。
* * *
この本には、第二弾の『ホーキング博士のスペース・アドベンチャー (2) 宇宙に秘められた謎』、第三弾で完結篇の『ホーキング博士のスペースアドベンチャー (3) 宇宙の誕生・ビッグバンへの旅』もあります。
またホーキングさんたちは、新たに『ホーキング博士のスペース・アドベンチャーII (1) 宇宙の法則 解けない暗号』という本も出しています。
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