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第1部 本

文学(絵本・児童文学・小説)

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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』
2006/3/1
リック リオーダン (著), Rick Riordan (原著), 金原 瑞人 (翻訳)


(感想)
 アメリカ探偵作家クラブ賞受賞の実力派ミステリー作家によるギリシャ神話とミステリーの融合。スリルとアクションと謎解きのおもしろさが、ぎゅうぎゅうにつまった大スケールのアメリカン・ファンタジーです☆
(※ここから先は、物語の核心にふれるネタバレを含みますので、結末を知りたくない方は読み飛ばしてください)
 アメリカの寄宿学校に通う12歳の問題児パーシー・ジャクソンは、校外授業でメトロポリタン美術館に行くことになります。ところが、引率の先生がいきなり、コウモリの翼とかぎづめを持つ老婆に変身して……騒動の果て、その狙いはパーシーにあり、彼はなんと、ギリシャ神話の神々の息子のひとりであると知らされます。
 こうしてパーシーは、半神半人の子どもばかりが集まる訓練所(なんと、そういう子がたくさんいるのです)で色々なことを教わるのですが、ゼウスの雷撃を盗んで隠し持っているという濡れ衣を着せられ、オリンポスの神ゼウスとポセイドンの戦争をとめるため、冒険の旅に出発することになります。
 旅に出ることになったパーシーに、予言の神が下した神託は4つ。
〈おまえは西へ行き、そむいた神と対面する〉
〈おまえは盗まれたものを見つけ、持ち主に無事に届ける〉
〈おまえはおまえを友と呼ぶ者に裏切られる〉
〈おまえは結局、もっとも大切なものを守りそこねる〉
 ゼウスの雷撃を盗んだ真犯人が冥界王ハデスだと示唆されたパーシーは、仲間のアナベス(アテナの娘)とグローバー(サテュロス)とともに、ニューヨークからロスアンゼルスへ(!)向かいます。ギリシャ神話なのに、なぜアメリカ横断の旅?と思いますが、なんとギリシャの神々は、今ではオリンポス山から「西洋の心」を持って転居しているそうです(笑)。炎が最も明るく燃えるところに神々はつねに存在しているそうで、だから今はアメリカ合衆国だとか。当然(?)冥界の入り口もアメリカの西にあるんですね。
 さて、パーシーは冥界へ連れ去られた母親を救い、盗まれた雷撃を取り戻して、神々の大戦争をとめることが出来るのでしょうか?
 ミステリー作家らしい謎と危機の連続にはらはらして、大型のバイクを乗り回すマッチョな軍神アレスをはじめとする神々の意外な人間くささに唖然とし、「変な子供」として屈折した精神をかかえたアナベスたち仲間の心に触れて……パーシーと仲間たちが、知恵と勇気で苦難を切り抜けていく展開から目が離せなくなります。
 この物語は、新感覚ミステリ・ファンタジーシリーズの第一弾ですが、「盗まれた雷撃」問題は『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』だけで解決するので、安心して読めます(笑)。とは言っても、たぶんパーシーたち魅力的な登場人物のその後が気になって、続きが読みたくなると思いますが、続きを読みたい方のために、ちゃんと続きが出ています(笑)。
 本編としては、『盗まれた雷撃』に続き、『魔海の冒険』、『タイタンの呪い』、『迷宮の戦い』、『最後の神』が、外伝としては『外伝 ハデスの剣』などがあります。
   *    *    *
 リオーダンさんは、他にも『オリンポスの神々と7人の英雄〈1〉消えた英雄』、『オリンポスの神々と7人の英雄〈2〉海神の息子』、『オリンポスの神々と7人の英雄〈3〉アテナの印』などの本を出しています。

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