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第1部 本
IT
IoTは日本企業への警告である
『IoTは日本企業への警告である―――24時間「機械に監視される時代」のビジネスの条件』2015/11/7
齋藤ウィリアム浩幸 (著)
(感想)
IoTという新しい技術によるビジネスの光と影を明らかにしてくれる本です。
IoTは、Internet of Thingsの略で、「モノをインターネットにつなげる」ということですが、これが次のビジネスの成長分野ということで、日本を含む世界中で技術開発にしのぎを削ってます。
例えば、ここ数年で爆発的に普及したスマートフォンを使って、エアコンなどの家電を動かせるようになってきています。おそらくその動きは今後も広がっていき、冷蔵庫、掃除ロボット、加湿器、ペットの見守りシステム、防犯装置など、今後、私たちの世界は、IoTで大きく変わっていくのではないかと思われます。
ドローンが空を飛び、家電、住宅、自動車、自動販売機、土木機械、農業機械、信号機や監視カメラまで、ありとあらゆるものがネットにつながって「知能」を駆使する時代は、すでに現実のものとなりつつあるのです。
でも、これらのおかげで私たちの生活が、すごく便利に、迅速になっている一方で、常に機械に監視される不安や、サイバー攻撃による企業やインフラの破綻リスクも激増しているのです。
この本は、IoTについて解説するとともに、今後の社会がどう変わっていくか、どんな危険があるかを教えてくれて、さらに日本企業はそれにどう対応すべきかについての示唆を与えてくれます。難しい専門用語はそれほど多くないので、IoTへの入門書として、一般の人でも理解しやすいのではないかと思います。とても参考になりました。
IoTにはリスクももちろんありますが、リスク以上に大きなチャンスがあるので、今後は、日本企業が世界のIoTの発展と新しいサイバーセキュリティをリードしていって欲しいと、齋藤さんは考えているようです。
最後に、「第4章 今、IoTに必要な「セキュリティの十戒」」の中から、「セキュリティ十戒」を以下に紹介します。
1)Confidentiality(許可された者だけが情報にアクセスできる状態を守る)
2)Integritey(情報が破壊されたり改ざんされないように守る)
3)Availability(システムが正しく稼働して情報にアクセスできる状態を守る)
4)Authentication(権利の保有を確認(証明)して情報へのアクセスなどを認める)
5)Authorization(利用者の権限を確認して適切な許可を出す)
6)Accountability(システム上の出来事を正しく記録して責任を果たせる状態を守る)
7)Non Repudiation(システム上の行為を後で否認されないように証明する)
8)Privacy(収集、保存、処理などを行った個人情報を守る)
9)Diversity(あらゆる脅威から破綻を防ぐ多様性を備える)
10)Resilience(脅威によって受けたダメージから回復する能力を持つ)
今後は、間違いなくIoTの世界が広がっていくと思います。IoTの光と闇を理解しておくためにも、ぜひ一度、読んでみてください。
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別の作家の本ですが、IoTビジネス関連の本には、他にも『IoTビジネスモデル革命』、『アップルを超えるイノベーションを起こす IoT時代の「ものづくり」経営戦略』など色々あります。なおIT関連の本は、変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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