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第1部 本

文学(絵本・児童文学・小説)

絵本・児童書(海外)

赤毛のアン

『赤毛のアン』2008/2/26
ルーシー・モード・モンゴメリ (著), Lucy Maud Montgomery (原著), 村岡 花子 (翻訳)


(感想)
 本当は男の子が欲しかったグリン・ゲイブルスの老兄妹(マシュウとマリラ)に、手違いで引き取られた孤児の少女アン。生後三か月で父母に先立たれた後、知り合いの家や孤児院で生活していたアン・シャーリーが、11歳でグリン・ゲイブルスの老兄妹に引き取られてから、クィーン学院を卒業するまでの5年間を描いた物語です。
 1908年に発表された古い長編小説なのですが、未だに人気を保っているほどの超人気の古典作品。モンゴメリさん自身の続編の他、映画や漫画、観光施設もつくられるなど、幅広く展開されたので、知っている方も多いと思います。
(※ここから先は、物語の核心にふれるネタバレを含みますので、結末を知りたくない方は読み飛ばしてください)
 小学生必読の本の一冊だったので(?)、もちろん子どもの頃に読んだのですが、正直に言って、それほど好きではなかった記憶があります(汗)。
 その後、小説の詳しい内容を忘れた頃に、映画の『赤毛のアン』を見て、アンの可愛らしさ、田園風景の美しさにすっかり魅了され、プリンス・エドワード島って美しいんだろうな……と『赤毛のアン』の世界に憧れを抱くようになりました。
 それで今回、感想記事を書くために本を再読したのですが……残念ながら、アンちゃんは、やっぱり少し苦手なタイプだと再認識してしまいました(汗)。思い込みが激しいというか……気が強い(我が強い)というか……。
 特に初対面のダイアナに対して、「永久にあたしの友達になるって誓いを立てられて?」と尋ねる場面では、うわー!、と思ってしまいました(汗)。会ったばかりなのに、こんな風に迫られても、とても「はい」と即答など出来ません。私なら、たぶん何か誤魔化すようなことを言ってしまい、アンをがっかりさせたことでしょう。でも、もちろん作中では、優しいダイアナが笑って誓いの言葉をのべてくれ、二人は腹心の友になります。
 ……こんな感じで、その他のエピソードを通してみても、アンは結構、「自分の思い通り」に何もかも推し進めようとする人のように見えて、成長したら「ママ友内のボス」になる感じの女の子だと思ってしまいました(汗)。
 それでもマリラの立場になって考えると、アンの「おしゃべり」な性格は、意外にも、すごく好ましかったのではないかと思います。
 知らない子どもを引き取って困るのは、その子が本当はどんな性格で何を考えているのかが分からないことだと思いますが、アンは大げさな表現という欠点はあっても、すごく素直にいっぱい話してくれるので、とても分かりやすいのです。強情さとか傲慢さとか、性格的な欠点もいろいろありますが、感情表現が素直で、頑張り屋だという長所の方がより大きいとも思いました。
 また、グリン・ゲイブルスの美しい田園風景の描写も、とても素敵です。
 さて、物語の終盤、アンは辛い決断を迫られます。
 その場面、アンの優しさが胸に沁み、さらに明るい未来を感じさせる結末も爽やかで、その後のみんなの幸福を祈らずにいられません……。
 ……そして、そう思ったのは、もちろん私ばかりではなかったようで、『赤毛のアン』には続編があり、「その後のみんな」を読むことが出来ます。『アンの青春』、『アンの愛情』、『アンの幸福』、『アンの夢の家』、『炉辺荘のアン』、『虹の谷のアン』、『アンの娘リラ』、『アンの想い出の日々』で、成熟していくアンに出会えます。
 またその他にも、『アンの友達』や『アンをめぐる人々』などの短編集もあります(この2作には、アンはそれほど登場しませんが……)
   *    *    *
 古典的名作の赤毛のアンは、何度も映画化、アニメ化、舞台化されています。ミーガン・フォローズの『赤毛のアン』は、アンがとても可愛い上に、風景や建物の雰囲気も素晴らしくて、ちょっと苦手だった『赤毛のアン』を好きにさせてくれた名作です。残念ながら価格が高くなってしまっていますが、以下でDVD版を紹介します。
 また、『赤毛のアン ファミリーセレクションDVDボックス』と、短縮版の『世界名作劇場・完結版 赤毛のアン』などの名作アニメもあります。

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