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第1部 本

自己啓発・コミュニケーション

よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方

『よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方 (セレクトBOOKS)』2012/12/12
平木 典子 (監修)


(感想)
「アサーション」というコミュニケーション技法を、文章とイラストで分かりやすく教えてくれる本です☆
「アサーション」という言葉は、「主張」や「断言」の他、「自他尊重の自己表現」という意味からきているそうで、「自分も他人も尊重しながら、お互いに気持ちのよい自己表現をするための考え方」、「相手に合わせて自分を抑えるのでもなく、逆に自分の気持ちを相手に攻撃的にぶつけるのでもなく、お互いに気持ちよく自己表現をするための方法」だそうです。
 この本には、「アサーション」の基本的な考え方の他に、具体的な事例も入っているので、状況に合わせた適切な対応法を理解しやすいと思います。
 さて、これまで日本では「遠慮」が美徳とされ、「自己主張」は「わがまま」に通じるものと思われてきたように思いますが、この本を読んで、「自己主張」しないことが必ずしも良いことではない、ということに、あらためて気づかされました。
 遠慮がちな人の非主張的な表現は、相手にわかってもらいにくて、我慢によるストレスで心身の問題を起こすこともあるのですが、この時、非主張的な対応をされた相手の方も結果的に被害をこうむる、という指摘に、ああ、なるほどと納得させられました。
 こちらが我慢したということは、言葉に出して言わない限り、相手には伝わらないのです。だから相手としては、同意して譲ってもらえたと思っているのに、実は、相手にストレスを与えていたと後で知らされたとしたら、困惑するだけではないでしょうか。
 私自身も子どもの頃から内気で遠慮がちな性格だったので、この状況がすごくよく分かります。でも実は、相手に必要以上の「思いやり」を求めていたのかなとも思いました。言わなくても分かってくれるはずなのに、なぜ分かってくれないのと……。
 でも年を重ねるうちに、多忙な毎日、仕事に追われる人々に囲まれているのに、「言わなくても分かってもらえる」ことはあまりないのだと気づくようになりました。そしてそれは、むしろ気楽で良いことだとすら思えるようになりました。このように考え方が変わったことで、自然に「アサーション」的な態度が身についてきたように思います。
 また、「アサーションは葛藤をなくす方法ではない」そうです。「アサーション」は、自分の主張を通す方法ではありません。なぜなら、「自分も他人も、自分の行動を決める権利を持っている」ので、あなたが他人を変えることはできないからです。
 むしろ「アサーションでは、葛藤はありうることだと考える」のだそうですが、アサーティブを心がけていれば、違いを理解し合い、関係を深めることができるのだとか。よく話し合うことで、お互いの妥協点を見出すことが大切なのですね。
 この本には、人間関係を円滑で心地よいものにする数多くのヒントや方法があります。社交的な会話の方法や、他人の怒りへの対応の仕方など、すごく参考になるヒントや、心に響く言葉が満載です。
 特に、遠慮がちな性格で損している……と感じている方は、ぜひ一度読んでみてください。
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 平木さんの他の本、『マンガでやさしくわかるアサーション』に関する記事もごらんください。
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 平木さんは、他にも『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』、『改訂版 アサーション・トレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために』、『図解 相手の気持ちをきちんと<聞く>技術』、『図解 自分の気持ちをきちんと「伝える」技術―人間関係がラクになる自己カウンセリングのすすめ』などの本を出しています。
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 別の作家の本ですが、『イラスト版子どものソーシャルスキル―友だち関係に勇気と自信がつく42のメソッド』、『イラスト版 気持ちの伝え方―コミュニケーションに自信がつく44のトレーニング』、『男の子の育て方~「結婚力」「学力」「仕事力」。0~12歳児の親が最低限しておくべきこと』、『女の子の育て方~「愛され力」+「自立力」=「幸福力」。0~15歳児の親が必ずしておくべきこと』など、子どものコミュニケーション能力を高めるための本は、多数あります。

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