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第1部 本
ビジネス・問題解決&トラブル対応
プロ法律家のクレーマー対応術
『プロ法律家のクレーマー対応術 (PHP新書 522)』
2008/5/16
横山 雅文 (著)
(感想)
苦情・クレームに名を借りて、企業や行政に対し、執拗に不当な要求や嫌がらせを繰り返す「悪質クレーマー」と呼ばれる人々が激増しているそうです。この本では、弁護士の横山さんが、悪質クレーマーの見分け方、弁護士との連携などの具体的な対策について詳しく教えてくれます。
クレーマー対応の鉄則としては、以下の7つがあるそうです。
(1)まずお詫びから。
(2)事実の確認を先行させる。
(3)感情的な対応は厳禁。
(4)堂々巡りになったときが最初のポイント(悪質クレーマーの見極め)。
(5)悪質クレーマーの場合、文書による最終回答・交渉窓口を弁護士に移管する通知を送る。
(6)加害行為には素早い仮処分と刑事告訴で対応。
(7)悪質クレーム事例を記録して対応の指針とする(全従業員で共有する)。
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また、「悪質クレーマー」には、「性格的問題クレーマー」「精神的問題クレーマー」「常習的悪質クレーマー」「反社会的悪質クレーマー」という大きく分けて四つのタイプがあるそうで、その特徴と対処法も教えてくれます。
怖いことに、これらの「悪質クレーマー」には合理的説明が通じないことが多く、交渉は必ず堂々巡りになるそうです。クレーム処理をしていて、「この人には常識が通じない」と葛藤や恐怖を感じるようなら、それを一人で抱え込まずに、早めに上司などに相談しましょう。「悪質クレーマー」に関しては、弁護士に相談するのが一番良いようです。弁護士というと、大企業しか利用できないような気がしていましたが(汗)、この本を読んだら、従業員や経営者が精神的に追い詰められるぐらいなら、小さい企業でも、弁護士費用の方がむしろ安くつくような気がしました。弁護士を介在させた方が、悪質クレーマーとの関係をきっぱり断ち切りやすいように思いますし……。
この本では、弁護士さんが具体的事例をあげて、対応方法をくわしく教えてくれます。
すごく参考になったのは、悪質クレーマーに通知を出すときは、「内容証明郵便の他に、同じ書面を普通郵便でも出す」ということで、「内容証明郵便」だけだと受け取り拒否されることがあるからだそうです。
このように、すごく実践的な内容で、最後には、資料として文書の例までついています。ぜひ一度、読んでみてください。
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別の作家の本ですが、各現場でのクレーム対処へ参考になる本には、『教職員のための学校の危機管理とクレーム対応―いじめ防止対策推進法の施行を受けて』、『新しい学校法務の実践と理論―教育現場と弁護士の効果的な連携のために』、『建築・法律トラブルらくらく回避マニュアル (エクスナレッジムック)』、『患者トラブルを解決する「技術」』、『医療従事者のためのモンスターペイシェント「対策」ハンドブック―院内暴言・暴力は許さない!』、、『医療機関はトラブルがいっぱい―法律・接遇・患者クレームの解決事例42幕 (アカシア病院物語)』、『どうしてくれる! ? 店長1万人のクレーム対応術』、『基礎からわかる 新・食品表示の法律・実務ガイドブック』など多数あります。
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