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第1部 本

描画参考資料

世界で一番美しい名画の解剖図鑑

『世界で一番美しい名画の解剖図鑑』2013/3/20
カレン・ホサック ジャネス (著), イアン ザクチェフ (著), イアン シルヴァーズ (著)


(感想)
 名画の鑑賞ができる美術図鑑です☆
 西洋美術がほとんどですが、中国や日本、インドなど東洋美術も数点入っています。
 12世紀に描かれた中国の絵巻物から始まって、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ベラスケス、フェルメール、ゴッホ、モネ、ピカソ、ウォーホル、キーファーなどの現代の芸術家まで、世界の巨匠たちが描いた名画の数々を、高精細の図版で見ることができます。
 名画を撮影した写真が、高い印刷技術を駆使して高精細で再現されているので、名画の細かい部分まで詳細に眺められます。例えば、あの『モナリザ』の場合、絵の細かいひび割れまで見えます。また、ハンス・ホルバインの『大使たち』では、衣服の質感はもとより、楽譜や数学の教科書の内容すら読み取れます(この作品は、髑髏のだまし絵が有名ですが、地球儀などの描きこみの凄さにも圧倒されました。すごい技術力!)。
 また、ミケランジェロの『システィーナ礼拝堂天井画』も、天地創造の人物群像を圧倒的迫力で見ることができます。残念ながらこの作品は、「天井画」部分だけですが、通常、首を上げて眺めなければならないこの作品を、見下ろす形でじっくり鑑賞できるのです☆
 この本は「名画の解剖図鑑」なので、各作品に解説がついています。作者と作品の概説、そして作品の数か所をクローズアップした解説があります(といっても各作品につき、大きな図版を含めて見開き1~2枚なので、解説の量は多くありませんが……)。

 しかも作品の大きさが直感的にわかるよう、人間との対比サイズで表示されています。意外だったのは、ダリの『ナルシスの変貌』で、大型の作品なのだと勝手に想像していたのですが、実はすごく小さい作品だったのですね!
 作家毎に1作品だけが紹介されていますが、その作品と対になる作品がある場合には、例えば、ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』の大きい写真に添えて、対になると議論されている『プリマヴェーラ』の小さい写真も掲載されています。
 日本の作品でとりあげられているのは、狩野永徳の『檜図屏風』(この選択がシブいですね……)だけですが、各作品の収蔵場所も表示されているので、この作品が東京国立博物館にあることも分かります。だから気になる作品があったら、それを見に行く旅行をするきっかけも作れます(笑)。
 高精細の美術図鑑なので、本は大型で重くて高価なのですが(汗)、すばらしい名画ばかりなので、眺めるとすごく「美術鑑賞ができた……」気分に浸れます(笑)。細かい部分がよく分かるので、これをじっくり見てから美術館で本物を見ると、いっそう深く味わうことが出来そうな気がします。
 各作品に使われているテクニックの簡単な説明もあるので、自分の作品を作る時の参考になるかもしれません。(ただし、見ていると圧倒されるばかりになりがちですが……汗)
 とにかく数々の名画が素晴らしく美しいので、眺めるだけでも十分満足できる重厚な本です☆
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 別の作家の本ですが、名画を鑑賞できる本には、他にも、『死ぬまでに観ておきたい世界の絵画』、『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、『錯視芸術図鑑:世界の傑作200点』、『世界のアート図鑑』など多数あります。

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