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第1部 本
ペーパークラフトの本(日本の作家)
その他
紙の造形―紙つくりから作品制作まで
『紙の造形―紙つくりから作品制作まで』2000/10
黒崎 彰 (著)
(感想)
紙やパルプについて深く知ることが出来る本です。『紙の造形』というタイトルですが、普通の紙工作の本ではありません。通常、紙工作(ペーパークラフト)をする場合には、素材として「紙」を購入して、はさみで切ったり接着剤で貼ったりして作品を作りますが、この本では、なんと紙になる元の「パルプ」を素材として立体作品を作る方法を紹介してくれるのです!
紙造形を行う方の立場から見ると、パルプは「絵の具」にも「粘土」にもなる、大変自由な可能性を備えた材料だと言います。パルプっていうと、あまりなじみがありませんが、牛乳パックなどをほぐしたものから葉書を作ったことのある方なら、細かくした紙の繊維が水の中でどろどろになっている状態を見たことがあると思います。それにインクを溶かせば「絵の具」として使えますし、乾かす途中の塊は「粘土」として使えるのです。
この本が紹介してくれる方法で紙造形作品を作るのは、実は、かなり困難だと思いますが(汗)、紙の作り方や道具や材料について、写真を多用して分かりやすく説明してくれるので、「紙」についてとても深く知ることが出来ます(用語集、参考資料、材料・用具店一覧もあります)。
目次(内容)は以下の通りです。
1.はじめに(紙造形とは)
2.紙のしくみ(材料とつくりかた)
3.紙をつくる(材料、道具、紙を漉く・乾かす)
4.リサイクルの紙(紙のリサイクル、布のリサイクル)
5.紙の材料について(和紙原料、洋紙原料、その他)
6.紙の薬品と仕上げ剤(パルプをつくる薬品、漂白剤・防腐剤、粘剤、定着剤、耐水剤、仕上げ剤、他)
7.紙つくりの道具と使い方(紙を漉く道具、脱水と乾燥の道具)
8.色パルプで作品をつくる(すき流し法、すき重ね法)
9.パルプで立体作品をつくる(レリーフ作品(張子技法、キャスティング・ペーパー、バキューム・フォーミング)、三次元立体作品(風船、サンドバッグ、スプレーガンを利用して立体をつくる方法))
10.紙の美術と造形(美術作品の写真紹介)
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紙について深く知りたい方は、『トコトンやさしい紙の本』、『紙の知識100』、『紙のなんでも小事典―パピルスからステンレス紙まで』、『デザイナー・編集者のための紙の見本帳』なども参考になると思います。
『印刷発注のための紙の資料』は、毎年最新版が発行されています。また紙の保存については『防ぐ技術・治す技術―紙資料保存マニュアル』などがあります。
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