ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第１部 本
自己啓発・精神力
メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる
『メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる』
2003/11
ジム レーヤー (著), James E. Loehr (原著), 重川 元志 (翻訳)
（感想）
ナブラチロワさんや松岡修造さんなどのトップ・テニスプレーヤーを指導したスポーツ心理学の権威、ジム レーヤーさんが精神力をタフにする方法を教えてくれる本です。手軽に読める文庫本の中に、優れたノウハウがぎっしり詰まっています☆
トップ・テニスプレーヤーはもちろん技術も凄いのですが、さらに素晴らしいのは、どんな場面でも、自分をポジティブに保持しようとする精神力だと言います。このような精神力は、スポーツだけでなく、もちろん日常生活にも役にたちます。プレッシャーをともなう大きな仕事をするとき、予期せぬトラブルが起こったとき、精神がタフでなければ打ち勝つことはできないでしょう。ではどうやったら、困難な状況下でストレスにうまく対処して、力を最大限に発揮できるのでしょうか？
ジム レーヤーさんは、日常的に肉体をトレーニングすることでスポーツが上達するように、日常的に精神力をきたえるトレーニングをすることで、メンタル・タフネスを鍛えることができると教えてくれます。また肉体のトレーニングは、精神のトレーニングにも通じます。肉体と感情・精神は深く結びついているからです。そして、肉体も感情も適度な波をもってトレーニングするべきで、過度なトレーニングも、トレーニング不足も、どちらも肉体や精神を弱く、ネガティブにしがちだと警告してくれます。
この本を読んで心に残ったのは、「ストレスは重要なものだ」ということでした。肉体を強くするためトレーニングでストレスを与えるように、精神を強くするためにもストレスを活かせるのです。大切なのは、ストレスに見合う「回復をさせてやること」で、ストレスと回復を波のように繰り返し行うことで、じょじょに自分自身を鍛えられるのです。
でもストレスがいつも適度だとは限りません。過度なストレスに襲われることだって、もちろんあります。そんな時には、それに見合う大きな「回復」を与えてあげる必要がありますが、なかなかできるものでもないですよね（汗）。それでも、この本の中の「過酷な状況から生還する」部分を読むと、回復のきっかけがつかめそうな気がします。
例えば、レーヤーさんは「ストレスが高いときは、「回復」を欲する身体の自然な反応だけに頼ってはいけない。（中略）過度のストレスの中でも、規則正しい生活に従って食べ、飲み、眠り、運動し、休息をとることを心がける。危機の中でも規則正しく生活していると、人生をコントロールし、秩序あるものにしているという感覚が戻ってくる」と言い、「人生の危機に直面したとき、ポジティブな意味づけをしたい」、「大きな危機に直面したら、エクササイズや対話をすることで気分転換をしよう」など、かなり実際的な対処法を教えてくれます（もちろんこの他にも、いろいろあります）。
そして最終章は「タフネス・トレーニングに終わりはない」。
レーヤーさんの言葉を心に刻みたいと思います。「人生の貴重な一日が柔軟性、反応力、強靭性、回復性を伸ばすよいチャンスとなる。そして、それは必ずやってくるが、人生の辛い嵐が襲ってきたとき、自分を維持し守るために、私たちはさらにタフに、よりバランスをとって、より熟練して、望みをもってその戦いに勝利しなければならない。」
＊ ＊ ＊
メンタル・タフネスに関するレーヤーさんの本には、他にも『ビジネスマンのためのメンタル・タフネス』、『メンタル・タフネス―ストレスで強くなる』などがあります。
また別の作家の本ですが、『No.１メンタルトレーニング ―本番で最高の力を発揮する最強の自分をつくる』、『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』、『逆境を生き抜く「打たれ強さ」の秘密―タフな心をつくるメンタル・トレーニング』など、メンタルを鍛えるために参考になる本は多数あります。『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』、『平常心を鍛える 自衛隊ストレスコントロール教官が明かす「試練を乗り切るための心の準備」』は、自衛隊のメンタルヘルスの教官が、心のエネルギーの上手なマネジメント方法や、折れない心の磨き方をアドバイスしてくれる本です。
この『メンタル・タフネス』は、「肉体と精神を同時に鍛える」ことを教えてくれる本ですが、運動は脳を鍛えるのにも役に立ちます（汗……実感です）。『脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方』などの本も、とても参考になると思います。
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